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【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
均等放射の球形光源(球の直径は\(30 \ \mathrm {cm}\) )がある。床からこの球形光源の中心までの高さは\(3 \ \mathrm {m}\)である。また,球形光源から放射される全光束は\(12000 \ \mathrm {lm}\)である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) 球形光源直下の床の水平面照度の値\(\mathrm {[lx]}\)として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,天井や壁など,周囲からの反射光の影響はないものとする。
(1) 35 (2) 106 (3) 142 (4) 212 (5) 425
(b) 球形光源の光度の値\(\mathrm {[cd]}\)と輝度の値\(\mathrm {[cd/m^{2}]}\)との組合せとして,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{ccc}
& 光度 & 輝度 \\
\hline
(1) & 1910 & 1010 \\
\hline
(2) & 955 & 3380 \\
\hline
(3) & 955 & 13500 \\
\hline
(4) & 1910 & 27000 \\
\hline
(5) & 3820 & 13500 \\
\hline
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
照明の問題は慣れてしまうと比較的易しい問題が多いのが特徴です。本問は過去問等の習熟を通して確実に得点できるようにしましょう。
1.光束\(F \)
光の量で単位はルーメン\( [ \mathrm {lm} ] \)となります。電磁気で言うと磁束のようなものです。
2.光度\(I\)
点光源から向かう光束\(F \)を立体角\(\omega \)で除したものを言い,球全体の立体角は\(4\pi \)となります。したがって,
\[
\begin{eqnarray}
I &=&\frac {F}{\omega } \\[ 5pt ]
&=&\frac {F}{4\pi } \ \mathrm {[cd]} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
となります。
3.照度\(E\)
均一に照射された面の明るさで,面積\(A\)に入射する光束を\(F\)とすると,
\[
E=\frac {F}{A} \ [ \mathrm {lx}]
\]
となります。
4.輝度\(L\)
輝度はある点から見た光源のまぶしさを表す指標で,光源の投影面積を\(S\)とすると,
\[
L=\frac {I}{S} \ \mathrm {[cd/m^{2}]}
\]
となります。
【解答】
(a)解答:(2)
ワンポイント解説「3.照度\(E\)」より,球形光源の直下における水平面照度の大きさは,光源から\(3 \ \mathrm {m}\)の球面の照度と等しいので,
\[
\begin{eqnarray}
E &=&\frac {F}{A} \\[ 5pt ]
&=&\frac {F}{4\pi r^{2}} \\[ 5pt ]
&=&\frac {12000}{4\pi \times 3^{2}} \\[ 5pt ]
&≒&106.1 → 106 \ \mathrm {[lx]} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
と求められる。
(b)解答:(3)
ワンポイント解説「2.光度\(I\)」より,球形光源の光度\(I\)は,
\[
\begin{eqnarray}
I &=&\frac {F}{\omega } \\[ 5pt ]
&=&\frac {12000}{4\pi } \\[ 5pt ]
&≒&954.9 → 955 \ \mathrm {[cd]} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
と求められる。光源の投影面積\(S\)は,
\[
\begin{eqnarray}
S &=&\pi \left( \frac {0.3}{2}\right) ^{2} \\[ 5pt ]
&≒&0.07069 \ \mathrm {[m^{2}]} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
であるから,ワンポイント解説「4.輝度\(L\)」より,光源の輝度\(L\)は,
\[
\begin{eqnarray}
L &=&\frac {I}{S} \\[ 5pt ]
&=&\frac {954.9}{0.07069} \\[ 5pt ]
&≒&13508 → 13500 \ \mathrm {[cd/m^{2}]} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
と求められる。