《機械》〈回転機〉[R3:問8]ブラシレスDCモータの特徴に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータに関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータは,固定子巻線に流れる電流と,回転子に取り付けられた永久磁石によってトルクを発生させる構造となっている。

(2) ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータは,回転子の位置により通電する巻線を切り換える必要があるため,ホール素子などのセンサによって回転子の位置を検出している。

(3) ブラシ付きの直流モータに比べ,ブラシと整流子による機械的接触部分がないため,火花による電気雑音は低減し,モータの寿命は長くなる。

(4) ブラシ付きの直流モータに比べ,位置センサの信号処理や,駆動用の制御回路が必要となり,モータの駆動に必要な周辺回路が複雑になる。

(5) ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータは効率がよくないため,エアコンや冷蔵庫のような省エネ性能が求められる大型の家電製品には利用されていない。

【ワンポイント解説】

ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータに関する問題です。
ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータに関しては,近年出題されることが多いので,今後も出題される可能性が高い分野となります。
誤答選択問題の場合,ネガティブワードを多く含む選択肢が誤りである場合が多いので,その点にも注目して解いてみましょう。

1.ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータ
\( \ \mathrm {DC} \ \)モータとブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータの構造例は下図の様になります。
\( \ \mathrm {DC} \ \)モータは永久磁石が固定子で電機子巻線が回転する方式が一般的ですが,ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータは永久磁石が回転する方式が一般的です。
\( \ \mathrm {DC} \ \)モータでは回転する部分と電源との間にブラシと整流子が必要であり,定期的なブラシの交換が必要であるといった保守面での問題があります。一方,ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータはインバータと磁極センサにより,固定子電流を調整して制御するため,ブラシが不要となります。

<ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータの特徴>
・ブラシと整流子による機械的接触部分がないため,定期的なブラシの交換等のメンテナンスが不要
・接触部がないため,火花の発生の可能性が低くなり,モータの寿命は一般に長くなる
・界磁を永久磁石とするため,界磁装置が不要となり一般に効率は高くなる
・回転子の位置を検出し,電機子巻線への電流を切り換える必要があるため,位置センサと半導体スイッチとで構成された制御回路が必要となる

出典:東芝デバイス&ストレージ株式会社 HP

【解答】

解答:(5)
(1)正しい
ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータは,一般の電動機と異なり固定子側に電機子巻線,回転子側に永久磁石を取り付けトルクを発生させます。

(2)正しい
ワンポイント解説「1.ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータ」の通り,ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータはセンサによって回転子の位置を検出し,通電する巻線を切り換えています。

(3)正しい
ワンポイント解説「1.ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータ」の通り,ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータはその名の通り,ブラシがなく機械的接触部分がありません。

(4)正しい
ワンポイント解説「1.ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータ」の通り,ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータはブラシ付きの直流モータに比べ,位置センサの信号処理や駆動用の制御回路が必要となります。

(5)誤り
ワンポイント解説「1.ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータ」の通り,ブラシレス\( \ \mathrm {DC} \ \)モータは界磁を永久磁石とするため効率がよくなります。したがって,省エネ性能が求められる家電製品に採用されます。