《機械》〈自動制御〉[R07上:問13]フィードバック制御系における安定性評価に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

一般のフィードバック制御系においては,制御系の安定性が要求され,制御系の特性を評価するものとして,\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)特性と過渡特性がある。

サーボ制御系では,目標値の変化に対する追従性が重要であり,過渡特性を評価するものとして,\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)応答の遅れ時間,立上り時間,\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)などが用いられる。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

\[
\begin{array}{cccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) \\
\hline
(1) &  定 常  &  ステップ  &  定常偏差  \\
\hline
(2) &  追 従  &  ステップ  &  定常偏差  \\
\hline
(3) &  定 常  &  ステップ  &  行過ぎ量  \\
\hline
(4) &  追 従  &  インパルス  &  行過ぎ量  \\
\hline
(5) &  定 常  &  インパルス  &  定常偏差  \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

フィードバック制御系における安定性評価に関する問題です。
問われている問題の難易度はそれほど高くはありませんが,受験生の勉強が手薄となりやすい分野です。しっかりと各部の名称を理解しておきましょう。
本問は平成15年問13からの再出題となります。

1.ステップ応答に対する安定性評価
ある制御系にステップ信号(時刻\( \ t=0 \ \)で\( \ 1 \ \)の大きさの階段状の信号)を与えたときの応答例は図1のようになります。
このとき安定性の評価として過渡特性と定常特性があり,以下の指標が用いられます。

Ⅰ.過渡特性
 図1に示すような最終値の\( \ 5 \ \mathrm {%} \ \)以内に入るまでの特性をいい,以下の指標があります。
 ①行過ぎ量,行過ぎ時間
  出力応答が最終値を超えた部分の最大値(オーバーシュート)をいい,小さいほど良いと判断されます。また,行過ぎ量が発生するまでの時間を行過ぎ時間といいます。
 ②遅れ時間
  出力が最終値の\( \ 50 \ \mathrm {%} \ \)まで到達するまでの時間で,短いほど良いと判断されます。
 ③立上り時間
  出力が最終値の\( \ 10 \ \mathrm {%} \ \)から\( \ 90 \ \mathrm {%} \ \)まで到達するまでの時間で,短いほど良いと判断されます。
 
Ⅱ.定常特性
 図1に示すような最終値の\( \ 5 \ \mathrm {%} \ \)以内に入った後の特性をいい,以下の指標があります。
 ①整定時間
  最終値の\( \ 5 \ \mathrm {%} \ \)以内に入るまでの時間で,短いほど良いと判断されます。
 ②定常偏差
  十分に時間が経過した後も残る最終値と出力の偏差で,小さいほど良いと判断されます。

【解答】

解答:(3)
(ア)
ワンポイント解説「1.ステップ応答に対する安定性評価」の通り,制御系の特性を評価するものとして,定常特性と過渡特性があります。

(イ)
ワンポイント解説「1.ステップ応答に対する安定性評価」の通り,制御系における過渡特性を評価するものとして,ステップ応答の遅れ時間があります。

(ウ)
ワンポイント解説「1.ステップ応答に対する安定性評価」の通り,制御系における過渡特性を評価するものとして,行過ぎ量があります。