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【問題】
【難易度】★★★★☆(やや難しい)
可動コイル形直流電流計\( \ \mathrm {A}_{1} \ \)と可動鉄片形交流電流計\( \ \mathrm {A}_{2} \ \)の\( \ 2 \ \)台の電流計がある。それぞれの電流計の性質を比較するために次のような実験を行った。
図1のように\( \ \mathrm {A}_{1} \ \)と\( \ \mathrm {A}_{2} \ \)を抵抗\( \ 100 \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)と電圧\( \ 10 \ \mathrm {[V]} \ \)の直流電源の回路に接続したとき,\( \ \mathrm {A}_{1} \ \)の指示は\( \ 100 \ \mathrm {[mA]} \ \),\( \ \mathrm {A}_{2} \ \)の指示は\( \ \fbox { (ア) } \ \mathrm {[mA]} \ \)であった。
また,図2のように,周波数\( \ 50 \ \mathrm {[Hz]} \ \),電圧\( \ 100 \ \mathrm {[V]} \ \)の交流電源と抵抗\( \ 500 \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)に\( \ \mathrm {A}_{1} \ \)と\( \ \mathrm {A}_{2} \ \)を接続したとき,\( \ \mathrm {A}_{1} \ \)の指示は\( \ \fbox { (イ) } \ \mathrm {[mA]} \ \),\( \ \mathrm {A}_{2} \ \)の指示は\( \ 200 \ \mathrm {[mA]} \ \)であった。
ただし,\( \ \mathrm {A}_{1} \ \)と\( \ \mathrm {A}_{2} \ \)の内部抵抗はどちらも無視できるものであった。
上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる最も近い値として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
\[
\begin{array}{ccc}
& (ア) & (イ) \\
\hline
(1) & 0 & 0 \\
\hline
(2) & 141 & 282 \\
\hline
(3) & 100 & 0 \\
\hline
(4) & 0 & 141 \\
\hline
(5) & 100 & 141 \\
\hline
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
直流電流計及び交流電流計の特徴に関する問題です。
あまり現実的な使用方法ではないため,ほとんどの受験生が迷った問題かと思います。
原理を理解していると正答が導き出せるかと思います。
1.可動コイル形計器
直流電流によりコイルにかかる電磁力により,針を動かして電流を測定する計器で,一般的な直流電流計で利用されている原理です。直流用であるため,交流で使用すると平均値を測定し,振動してしまう可能性があります。
出典:みんなが欲しかった!電験三種 理論の実践問題集P.174 (TAC出版)
2.可動鉄片形計器
コイルの中に固定鉄片と可動鉄片の二つの鉄片を置き,コイルに電流を流した際に双方の鉄片には同じ方向に磁化されるため反発力がかかります。その反発力の大きさをもとに電流の大きさを測定する計器で,交流用として用いられ,実効値を測定します。
出典:みんなが欲しかった!電験三種 理論の実践問題集P.175 (TAC出版)
【解答】
解答:(3)
(ア)
ワンポイント解説「2.可動鉄片形計器」の通り,実効値を測定するため,\( \ \mathrm {A}_{2} \ \)の指示は\( \ 100 \ \mathrm {[mA]} \ \)となります。
(イ)
ワンポイント解説「1.可動コイル形計器」の通り,稼働コイル形直流電流計は平均値を測定し,交流正弦波の波形は正負を繰り返すため,\( \ \mathrm {A}_{1} \ \)の指示は\( \ 0 \ \mathrm {[mA]} \ \)となります。