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【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
次の文章は,不純物半導体に関する記述である。
極めて高い純度に精製されたケイ素(Si)の真性半導体に,微量のリン(P),ヒ素(As)などの\( \ \fbox { (ア) } \ \)価の元素を不純物として加えたものを\( \ \fbox { (イ) } \ \)形半導体といい,このとき加えた不純物を\( \ \fbox { (ウ) } \ \)という。
ただし,Si,P,Asの原子番号は,それぞれ14,15,33である。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{cccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) \\
\hline
(1) & 5 & \mathrm {p} & アクセプタ \\
\hline
(2) & 3 & \mathrm {n} & ドナー \\
\hline
(3) & 3 & \mathrm {p} & アクセプタ \\
\hline
(4) & 5 & \mathrm {n} & アクセプタ \\
\hline
(5) & 5 & \mathrm {n} & ドナー \\
\hline
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
半導体の基本事項に関する問題となります。電子が余るのか足りないのかをきちんと理解していれば難なく解ける問題であると思います。
1.不純物半導体
① n形半導体
Siを代表とした4価(価電子が4個)の真性半導体に,リンやヒ素等の5価(価電子が5個)の原子を混ぜると,他の原子と結合していない1個の電子が余り,自由電子となり,結晶内を動き回ります。この時混ぜた5価の原子をドナーといいます。
② p形半導体
Siを代表とした4価(価電子が4個)の真性半導体に,ホウ素やインジウム,ガリウム等の3価(価電子が3個)の原子を混ぜると,電子が一つ足りなくなり,正孔ができます。正孔は正電荷を持った粒子のように結晶内を動き回ります。この時混ぜた3価の原子をアクセプタといいます。
【解答】
解答:(5)
(ア)
ワンポイント解説「1.不純物半導体」の通り,リンやヒ素は5価の元素です。
(イ)
ワンポイント解説「1.不純物半導体」の通り,5価の元素を不純物として加えたものをn形半導体と言います。
(ウ)
ワンポイント解説「1.不純物半導体」の通り,n形半導体に加えた5価の不純物をドナーと言います。