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【問題】
【難易度】★☆☆☆☆(易しい)
空気中に半径\( \ r \ \mathrm {[m]} \ \)の金属球がある。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,\( \ r=0.01 \ \mathrm {[m]} \ \),真空の誘電率を\( \ \varepsilon _{0}=8.854\times 10^{-12} \ \mathrm {[F/m]} \ \),空気の比誘電率を\( \ 1.0 \ \)とする。
(a) この金属球が電荷\( \ Q \ \mathrm {[C]} \ \)を帯びたときの金属球表面における電界の強さ\( \ \mathrm {[V/m]} \ \)を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) \( \displaystyle \frac {Q}{4\pi \varepsilon _{0}r^{2}}\) (2) \( \displaystyle \frac {3Q}{4\pi \varepsilon _{0}r^{3}}\) (3) \( \displaystyle \frac {Q}{4\pi \varepsilon _{0}r}\) (4) \( \displaystyle \frac {Q^{2}}{8\pi \varepsilon _{0}r}\) (5) \( \displaystyle \frac {Q^{2}}{2\pi \varepsilon _{0}r^{2}}\)
(b) この金属球が帯びることのできる電荷\( \ Q \ \mathrm {[C]} \ \)の大きさには上限がある。空気の絶縁破壊の強さを\( \ 3\times 10^{6} \ \mathrm {[V/m]} \ \)として,金属球表面における電界の強さが空気の絶縁破壊の強さと等しくなるような\( \ Q \ \mathrm {[C]} \ \)の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) \(2.1\times 10^{-10}\) (2) \(2.7\times 10^{-9}\) (3) \(3.3\times 10^{-8}\)
(4) \(2.7\times 10^{-7} \ \) (5) \(3.3\times 10^{-6}\)
【ワンポイント解説】
難問も出題されるB問題としては非常に易しい問題となります。(a)は公式を覚えていれば解け,(b)は数値を代入するのみとなります。合格したいのであれば,本問は確実に得点しておきたい問題となります。
1.真空中の電界の大きさ\( \ E \ \)
真空中に電荷\( \ Q \ \)をおいた時,電荷から距離\( \ r \ \)離れた場所の電界の大きさ\( \ E \ \)は,真空の誘電率を\( \ \varepsilon _{0} \ \)とすると,
\[
\begin{eqnarray}
E &=&\frac {Q}{4\pi \varepsilon _{0}r^{2}} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
となります。
【解答】
(a)解答:(1)
空気中の比誘電率が\( \ 1.0 \ \)であるから,本問において空気中の誘電率は真空中と等しくなる。
ワンポイント解説「1.真空中の電界の大きさ\( \ E \ \)」より電界の強さ\( \ E \ \mathrm {[V/m]} \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
E &=&\frac {Q}{4\pi \varepsilon _{0}r^{2}} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
と求められる。
(b)解答:(3)
(a)の解答を変形して各値を代入すると,
\[
\begin{eqnarray}
E &=&\frac {Q}{4\pi \varepsilon _{0}r^{2}} \\[ 5pt ]
Q &=&4\pi \varepsilon _{0}r^{2}E \\[ 5pt ]
&=&4\pi \times 8.854\times 10^{-12}\times 0.01^{2}\times 3\times 10^{6} \\[ 5pt ]
&≒&3.3\times 10^{-8} \ \mathrm {[C]} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
と求められる。