《理論》〈電気及び電子計測〉[H25:問14]ディジタル計器に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

ディジタル計器に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) ディジタル交流電圧計には,測定入力端子に加えられた交流電圧が,入力変換回路で直流電圧に変換され,次の\( \ \mathrm {A-D} \ \)変換回路でディジタル信号に変換される方式のものがある。

(2) ディジタル計器では,測定量をディジタル信号で取り出すことができる特徴を生かし,コンピュータに接続して測定結果をコンピュータに入力できるものがある。

(3) ディジタルマルチメータは,スイッチを切り換えることで電圧,電流,抵抗などを測ることができる多機能測定器である。

(4) ディジタル周波数計には,測定対象の波形をパルス列に変換し,一定時間のパルス数を計数して周波数を表示する方式のものがある。

(5) ディジタル直流電圧計は,アナログ指示計器より入力抵抗が低いので,測定したい回路から計器に流れ込む電流は指示計器に比べて大きくなる。

【ワンポイント解説】

ディジタル計器はその利便性から,近年の設備では圧倒的に多くなってきています。理論科目の対策としては優先順位は低めの分野となりますが,実務でも扱うことが多い内容と思いますので勉強しておいて損はないと思います。

1.アナログ計器と比較したディジタル計器の特徴
① ディジタル表示されるので,測定者の読取り誤差が少ない。
② 測定データの記録や演算等を容易に行え,コンピュータにも容易に取り込むことができる。
③ 過電圧・過電流等の保護回路を容易に組み込め,設定も容易に変更が可能。
④ アナログ入力を電気信号に変換した後に\( \ \mathrm {A-D} \ \)変換して出力表示するため,マルチメータとして多種類の測定が可能。
⑤ アナログ計器に比べ,正常値であるかどうかが直感的に判断しにくい。

【解答】

解答:(5)
(1)正しい
 問題文の通りです。問題文では「ものがある」となっていますが,かなりのものがこの方式であると思います。

(2)正しい
 問題文の通りです。ディジタル信号であることから,コンピュータに接続してコンピュータに入力できるようになっている場合が多いです。

(3)正しい
 問題文の通り,ディジタル信号の場合,全て一旦電気信号にするため,スイッチを切り換えることで多機能の測定が可能となります。

(4)正しい
 問題文の通りです。測定対称の波幅をパルス列に変換することができ,一定時間のパルス数を計数して周波数を表示する方式のものがあります。

(5)誤り
 ディジタル直流電圧計は,アナログ指示計器より構成機器が多いため,入力抵抗は高くなります。