《理論》〈電磁気〉[H28:問12]ローレンツ力に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★☆☆☆☆(易しい)

電荷\( \ q \ \mathrm { [ C ] } \ \)をもつ荷電粒子が磁束密度\( \ B \ \mathrm { [ T ] } \ \)の中を速度\( \ v \ \mathrm { [ m/s ] } \ \)で運動するとき受ける電磁力はローレンツ力と呼ばれ,次のように導出できる。まず,荷電粒子を微小な長さ\( \ \Delta l \ \mathrm { [ m ] } \ \)をもつ線分とみなせると仮定すれば,単位長さ当たりの電荷(線電荷密度という。)は\( \ \displaystyle \frac {q}{\Delta l} \ \mathrm { [ C/m ] } \ \)となる。次に,この線分が長さ方向に速度\( \ v \ \)で動くとき,線分には電流\( \ \displaystyle I=\frac {vq}{\Delta l} \ \mathrm { [ A ] } \ \)が流れていると考えられる。そして,この微小な線電流が受ける電磁力は\( \ F=BI\Delta l \sin \theta \ \mathrm { [ N ] } \ \)であるから,ローレンツ力の式\( \ F= \ \fbox {  (ア)  } \ \mathrm { [ N ] } \ \) が得られる。ただし,\( \ \theta \ \)は\( \ v \ \)と\( \ B \ \)との方向がなす角である。\( \ F \ \)は\( \ v \ \)と\( \ B \ \)の両方に直交し,\( \ F \ \)の向きはフレミングの\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)の法則に従う。では,真空中でローレンツ力を受ける電子の運動はどうなるだろうか。鉛直下向きの平等な磁束密度\( \ B \ \)が存在する空間に,負の電荷をもつ電子の速度\( \ v \ \)で水平方向に放つと,電子はその進行方向を前方とすれば\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)のローレンツ力を受けて\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)をする。
ただし,重力の影響は無視できるものとする。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

\[
\begin{array}{ccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) \\
\hline
(1) & qvB\sin \theta & 右 手 & 右方向 & 放物線運動 \\
\hline
(2) & qvB\sin \theta & 左 手 & 右方向 & 円運動 \\
\hline
(3) & qvB\Delta l \sin \theta & 右 手 & 左方向 & 放物線運動 \\
\hline
(4) & qvB\Delta l \sin \theta & 左 手 & 左方向 & 円運動 \\
\hline
(5) & qvB\Delta l \sin \theta & 左 手 & 右方向 & ブラウン運動 \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

本問は電験の中でも頻出項目から出題されています。問題文の電子の運動は下図のように表されます。電子の動く向きは電流と逆になることに注意して下さい。

2.フレミングの左手の法則
中指を電流の向き,人差し指を磁界の向きに合わせると,親指の方向に力が働くという法則で,頭文字を取って「電磁力」と覚えます。
磁束密度の大きさ\( \ B \ \),電流の大きさ\( \ I \ \),直線状導体の長さを\( \ l \ \)とすると,導体に発生する電磁力\( \ F \ \)は
\[
\begin{eqnarray}
F &=&BIl \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。

【解答】

解答:(2)
(ア)
\(F=BI\Delta l \sin \theta \mathrm { [ N ] }\)に\(\displaystyle I=\frac {vq}{\Delta l}\mathrm { [ A ] }\)を代入すると,
\[
F=B\frac {vq}{\Delta l}\Delta l \sin \theta =qvB\sin \theta
\] と求められる。

(イ)
本問の関係は,フレミングの左手の法則に従います。

(ウ)
ワンポイント解説の通り,ローレンツ力は電子の進行方向の右方向となります。

(エ)
電子には常に進行方向に垂直の力が加わるので,円運動とすることになります。