《理論》〈電気回路〉[H30:問13]ダイオードによるクリッパ回路の出力波形に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

図1は,ダイオード\( \ \mathrm {D} \ \),抵抗値\( \ R \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)の抵抗器,及び電圧\( \ E \ \mathrm {[V]} \ \)の直流電源からなるクリッパ回路に,正弦波電圧\( \ v_{\mathrm {i}}=V_{\mathrm {m}}\sin \omega t \ \mathrm {[V]} \ \)(ただし,\( V_{\mathrm {m}}>E>0\))を入力したときの出力電圧\( \ v_{0} \ \mathrm {[V]} \ \)の波形である。図2(a)~(e)のうち図1の出力波形が得られる回路として,正しいものの組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし,\( \ \omega \ \mathrm {[rad/s]} \ \)は角周波数,\( \ t \ \mathrm {[s]} \ \)は時間を表す。また,順電流が流れているときのダイオードの端子間電圧は\( \ 0 \ \mathrm {V} \ \)とし,逆電圧が与えられているときのダイオードに流れる電流は\( \ 0 \ \mathrm {A} \ \)とする。

 (1) (a),(e)  (2) (b),(d)  (3) (a),(d)  (2) (b),(c)  (2) (c),(e)

【ワンポイント解説】

機械科目のパワーエレクトロニクスのような問題です。計算は必要ありませんが,概念をきちんと理解していないと解けない問題です。試験では1問5分程度で解く必要がありますので,本問で言えば1回路当たり1分で導出する必要があります。

【解答】

解答:(3)
(a)
ダイオード\( \ \mathrm {D} \ \)が導通するのは\( \ v_{\mathrm {i}}>E \ \)の時であり,そのときの出力電圧\( \ v_{0} \ \)は\( \ v_{\mathrm {i}} \ \)と等しくなる。
また,\( \ v_{\mathrm {i}}<E \ \)の時,ダイオード\( \ \mathrm {D} \ \)は導通せず,回路には電流が流れないため,出力電圧\( \ v_{0} \ \)は\( \ E \ \)となる。
よって波形は下図のようになる。

(b)
ダイオード\( \ \mathrm {D} \ \)が導通するのは\( \ v_{\mathrm {i}}<-E \ \)の時であり,そのときの出力電圧\( \ v_{0} \ \)は\( \ v_{\mathrm {i}} \ \)と等しくなる。
また,\( \ v_{\mathrm {i}}>-E \ \)の時,ダイオード\( \ \mathrm {D} \ \)は導通せず,回路には電流が流れないため,出力電圧\( \ v_{0} \ \)は\( \ -E \ \)となる。
よって波形は下図のようになる。

(c)
ダイオード\( \ \mathrm {D} \ \)が導通するのは\( \ v_{\mathrm {i}}<E \ \)の時であり,そのときの出力電圧\( \ v_{0} \ \)は\( \ v_{\mathrm {i}} \ \)と等しくなる。
また,\( \ v_{\mathrm {i}}>E \ \)の時,ダイオード\( \ \mathrm {D} \ \)は導通せず,回路には電流が流れないため,出力電圧\( \ v_{0} \ \)は\( \ E \ \)となる。
よって波形は下図のようになる。

(d)
ダイオード\( \ \mathrm {D} \ \)が導通するのは\( \ v_{\mathrm {i}}<E \ \)の時であり,そのときの出力電圧\( \ v_{0} \ \)は\( \ E \ \)となる。
また,\( \ v_{\mathrm {i}}>E \ \)の時,ダイオード\( \ \mathrm {D} \ \)は導通せず,回路には電流が流れないため,出力電圧\( \ v_{0} \ \)は\( \ v_{\mathrm {i}} \ \)と等しくなる。
よって波形は下図のようになる。

(e)
ダイオード\( \ \mathrm {D} \ \)が導通するのは\( \ v_{\mathrm {i}}>E \ \)の時であり,そのときの出力電圧\( \ v_{0} \ \)は\( \ E \ \)となる。
また,\( \ v_{\mathrm {i}}<E \ \)の時,ダイオード\( \ \mathrm {D} \ \)は導通せず,回路には電流が流れないため,出力電圧\( \ v_{0} \ \)は\( \ v_{\mathrm {i}} \ \)と等しくなる。
よって波形は下図のようになる。