《電力》〈火力〉[H29:問2] 火力発電所における硫黄酸化物対策に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,火力発電所における硫黄酸化物対策に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

排煙脱硫装置は排ガス中に含まれる硫黄酸化物を除去する装置であり,発電用ボイラにおいては,\( \ \fbox {  (1)  } \ \)などアルカリ剤のスラリーを排ガス中に噴霧して,\( \ \fbox {  (2)  } \ \)を副生品として回収することができる\( \ \fbox {  (3)  } \ \)法が一般的に用いられている。
\( \ \fbox {  (4)  } \ \)塔で脱硫された排ガスは,水分を多く含み冷却されているため,煙道などを腐食させやすく,そのまま大気に放出されると,拡散能力が低く白煙も発生するため,\( \ \fbox {  (5)  } \ \)で再加熱してから煙突より放出される。

〔問2の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& アンモニア     &(ロ)& 硫黄   &(ハ)& ガス-ガスヒータ \\[ 5pt ] &(ニ)& 活性炭   &(ホ)& 還元   &(ヘ)& 乾式 \\[ 5pt ] &(ト)& 吸収   &(チ)& 空気予熱器     &(リ)& 酸化 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 湿式   &(ル)& 石灰石   &(ヲ)& 石こう \\[ 5pt ] &(ワ)& 脱じん   &(カ)& 窒素   &(ヨ)& ミストエリミネータ
\end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

火力発電所の排ガスには多量のばいじん,窒素酸化物,硫黄酸化物が含まれており,そのままでは公害が発生するため排出することはできません。それぞれの処理方法については重要項目なので抑えておく必要があります。硫黄酸化物に対する対策は以下の通りです。

1.硫黄酸化物の対策
①硫黄分の少ない燃料の採用(\( \ \mathrm {LNG} \ \),\( \ \mathrm {LS} \ \)重油等)
②集合煙突の採用,高煙突の採用によるばい煙の拡散
③排煙脱硫装置の設置
石灰石膏法や水酸化マグネシウム法が採用されています。冷却吸収塔ではスプレイ式により排ガスに含まれる硫黄酸化物を吸収します。ガスガスヒータでは冷却吸収塔を通過し冷えた排ガスを冷却吸収塔を通過する前の排ガスを熱交換し,煙突の腐食を防止します。下図の概略フローを覚えておけば本問は完璧です。

【解答】

(1)解答:ル
(2)解答:ヲ
文脈から解答候補は(イ)アンモニア,(ロ)硫黄,(ニ)活性炭,(ル)石灰石,(ヲ)石こう等になると思いますが,上記フローより答えは入口が(ル)石灰石で出口が(ヲ)石こうになります。(イ)アンモニアは窒素酸化物を除去する脱硝装置で使用します。

(3)解答:ヌ
文脈から解答候補は(ホ)還元,(ヘ)乾式,(リ)酸化,(ヌ)湿式になると思います。石灰石膏法は湿式の処理方法です。(ホ)還元はアンモニア接触還元法と呼ばれる脱硝装置で採用されています。

(4)解答:ト
文脈から解答候補は(リ)酸化,(ト)吸収,(ワ)脱じん等になると思いますが,上記フローの通り,排脱装置では吸収塔を使用して脱硫しています。

(5)解答:ハ
文脈から解答候補は(ハ)ガス-ガスヒータ,(チ)空気予熱器,(ヨ)ミストエリミネータになると思います。上記フローより吸収塔にて冷やされた排ガスはガスガスヒータにて再加熱させます。(チ)空気予熱器は燃焼用空気を排ガスで暖め熱効率を良くするもの,ミストエリミネータは排ガスに含まれるミストやダストを除去するものです。



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