《理論》〈電気回路〉[H27:問6]回路の等価変換に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

次の文章は,直流電源と抵抗からなる回路に関する記述である。文中の\(\fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$}\)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選びなさい。

図1に示すように直列内部抵抗\(r\)と直流電圧源\(E_{0}\)で表される電源,並列内部抵抗\(r\)と直流電流源\(I_{0}\)で表される電源,及び負荷抵抗\(R\)を直列接続した回路を考える。ただし,\(E_{0}=rI_{0}\)とする。このとき図1の回路の電流\(I_{1}\)と\(I_{2}\)はそれぞれ\(I_{1}=\fbox {  (1)  }\times I_{0}\),\(I_{2}=\fbox {  (2)  }\times I_{0}\)である。図1の回路の二つの内部抵抗\(r\)と負荷抵抗\(R\)で消費される電力の総和を\(P_{1}\)とおくと\(P_{1}=\fbox {  (3)  }\times {I_{0}}^{2}\)である。

次にテブナンの定理とノートンの定理を使って,図1の回路の電源の等価変換を行った。

 (a) 図1の回路の二つの電源を一つの電圧源に等価変換した回路を図2とする。
 (b) 図1の回路の二つの電源を一つの電流源に等価変換した回路を図3とする。

図1の回路の電流\(I_{2}\)と図3の回路の電流\(I_{3}\)の関係は,\(I_{3}=\fbox {  (4)  }\times I_{2}\)である。三つの回路の消費電力が同じになるのは,\(I_{3}=I_{1}\)となるときである。そのとき図1の回路の内部抵抗\(r\)と負荷抵抗\(R\)の関係は\(\fbox {  (5)  }\)となる。

〔問6の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& R=r   &(ロ)& \frac {r}{R+2r}   &(ハ)& 1 \\[ 5pt ] &(ニ)& \frac {Rr}{\left( R+2r\right) ^{2}}   &(ホ)& \frac {r}{R}   &(ヘ)& \frac {R}{R+2r} \\[ 5pt ] &(ト)& \frac {R}{r}   &(チ)& \frac {2R}{R+2r}    &(リ)& (R+r) \\[ 5pt ] &(ヌ)& 2R=r   &(ル)& \frac {R+r}{R+2r}   &(ヲ)& \frac {2r}{R+2r} \\[ 5pt ] &(ワ)& R   &(カ)& R=2r   &(ヨ)& r
\end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

メインは等価変換に関する問題で,電圧源と電流源で直並列接合した時にどうなるかを理解していないと戸惑ってしまうかもしれません。落ち着いて丁寧に解くようにしてください。

1.電圧源と電流源の等価変換
図4に示すように,電圧源と電流源は直列と並列で等価変換することができます。

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【解答】

(1)解答:ヲ
(2)解答:ヘ
図1の回路について,回路方程式を立てると,
\[
\begin{eqnarray}
I_{0} &=& I_{1}+I_{2}  &・・・・・ ①&\\[ 5pt ] rI_{0} &=& \left(r+R\right) I_{1}-rI_{2}  &・・・・・ ②&\\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となるので,\(①\times r +②\)により\(I_{2}\)を消去すると,
\[
\begin{eqnarray}
2rI_{0} &=& \left(2r+R\right) I_{1}\\[ 5pt ] I_{1} &=& \frac {2r}{2r+R }I_{0} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。よって,上式を\(①\)に代入して\(I_{2}\)を求めると,
\[
\begin{eqnarray}
I_{2} &=& I_{0}-I_{1} \\[ 5pt ] &=& I_{0}-\frac {2r}{\left(2r+R\right) }I_{0}\\[ 5pt ] &=& \frac {R}{2r+R}I_{0}\\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。

(3)解答:ヨ
二つの内部抵抗\(r\)と負荷抵抗\(R\)で消費される電力の総和\(P_{1}\)は,
\[
\begin{eqnarray}
P_{1} &=& \left( r+R\right) {I_{1}}^{2}+ r{I_{2}}^{2} \\[ 5pt ] &=& \left( r+R\right) {\left[ \frac {2r}{2r+R }I_{0}\right] }^{2}+ r{\left[ \frac {R}{2r+R}I_{0} \right] }^{2} \\[ 5pt ] &=& \frac {\left( r+R\right)\cdot 4r^{2} +rR^{2}}{\left(2r+R\right) ^{2}}I_{0}^{2} \\[ 5pt ] &=& \frac {4r^{3}+4r^{2}R +rR^{2}}{4r^{2}+4rR +R^{2}}I_{0}\\[ 5pt ] &=& \frac {r\left( 4r^{2}+4rR +R^{2}\right) }{4r^{2}+4rR +R^{2}}I_{0}^{2} \\[ 5pt ] &=& rI_{0}^{2} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。

(4)解答:ハ
図1から図2への等価変換を図2-2,図1から図3への等価変換を図3-2に示す。
図3-2より,\(I_{3}\)の大きさは,
\[
\begin{eqnarray}
I_{3} &=& \frac {R}{\left(2r+R\right) }I_{0} \\[ 5pt ] &=&I_{2}
\end{eqnarray}
\] と求められる。


(5)解答:カ
\(I_{3}=I_{1}\)となる時,
\[
\begin{eqnarray}
\frac {R}{\left(2r+R\right) }I_{0} &=& \frac {2r}{2r+R }I_{0} \\[ 5pt ] R&=&2r
\end{eqnarray}
\] と求められる。



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