《法規》〈電気設備技術基準〉[H20:問8]PCB電気工作物の取扱いに関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気関係報告規則」に基づくポリ塩化ビフェニル(以下「\( \ \mathrm {PCB} \ \)」という。)を含有する絶縁油を使用する電気機械器具(以下「\( \ \mathrm {PCB} \ \)電気工作物」という。)の取扱いに関する記述である。

1.\( \ \mathrm {PCB} \ \)電気工作物を新しく電路に施設することは\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)されている。

2.\( \ \mathrm {PCB} \ \)電気工作物に関しては,次の報告が義務付けられている。

 ①\( \ \mathrm {PCB} \ \)電気工作物であることが判明した場合の報告

 ②上記①の報告内容が変更になった場合の報告

 ③\( \ \mathrm {PCB} \ \)電気工作物を\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)した場合の報告

3.上記2の報告の対象となる\( \ \mathrm {PCB} \ \)電気工作物には,\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)がある。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に当てはまる語句として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
\[
\begin{array}{cccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) \\
\hline
(1) &  禁 止  &  廃 止  &  \mathrm {CV} \ ケーブル  \\
\hline
(2) &  制 約  &  廃 止  &  電力用コンデンサ  \\
\hline
(3) &  制 約  &  転 用  &  電力用コンデンサ  \\
\hline
(4) &  制 約  &  転 用  &  \mathrm {CV} \ ケーブル  \\
\hline
(5) &  禁 止  &  廃 止  &  電力用コンデンサ  \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

電気設備に関する技術基準を定める省令第19条及び電気関係報告規則第4条の2からの出題です。
不溶性,不燃性,高い絶縁性,化学的に安定等の理由から多くの電気工作物に採用されてきましたが,発がん性等の毒性の強さがあるため現在では使用が禁止されています。電気主任技術者であれば必須の知識となりますので覚えておきましょう。

【解答】

解答:(5)
(ア)
電気設備に関する技術基準を定める省令第19条第14項の通り,「禁止」となります。

(イ)
電気関係報告規則第4条の2第1項表の通り,「廃止」となります。

(ウ)
\( \ \mathrm {PCB} \ \)電気工作物として報告対象となっているのは「電力用コンデンサ」となります。ケーブルで報告対象となっているのは\( \ \mathrm {OF} \ \)ケーブルで,そもそも\( \ \mathrm {CV} \ \)ケーブルでは絶縁物として絶縁油ではなく架橋ポリエチレンが使用されています。

<電気設備に関する技術基準を定める省令第19条(抜粋)>
14 ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気機械器具及び電線は,(ア)電路に施設してはならない

<電気関係報告規則第4条の2(抜粋)>
ポリ塩化ビフェニル含有電気工作物を現に設置している又は予備として有している者(以下この条において「ポリ塩化ビフェニル含有電気工作物設置者等」という。)は、次の表の上欄に掲げる場合には、同表の中欄に掲げる様式により、同表の下欄に掲げる期限までに、当該ポリ塩化ビフェニル含有電気工作物を設置している又は予備として有している場所を管轄する産業保安監督部長へ届け出なければならない。
\[
\begin{array}{|l|c|c|}
\hline
     届出を要する場合 & 様式番号 & 届出期限 \\
\hline
一 ポリ塩化ビフェニル含有電気工作物を現に設 & 様式第13の2 & 判明した後遅滞なく \\
  置している又は予備として有していることが &    &    \\
  新たに判明した場合(直ちに,当該ポリ塩化 &    &    \\
  ビフェニル含有電気工作物を廃止し,第三号 &    &    \\
  の届出をする場合を除く。)  &    &    \\
\hline
二 ポリ塩化ビフェニル含有電気工作物設置者等 & 様式第13の3 & 変更の後遅滞なく \\
  の氏名若しくは住所(法人にあっては当該ポ &    &    \\
  リ塩化ビフェニル含有電気工作物を設置して &    &    \\
  いる又は予備として有している事業場の名称 &    &    \\
  又は所在地)に変更があった場合又は当該ポ &    &    \\
  リ塩化ビフェニル含有電気工作物の設置若し &    &    \\
  くは予備の別に変更があった場合 &    &    \\
\hline
三 ポリ塩化ビフェニル含有電気工作物を & 様式第13の4 & 廃止の後遅滞なく \\
  \color {red}{\underline {(イ)廃止  }}した場合 &    &    \\
\hline
四 ポリ塩化ビフェニル含有電気工作物の破損 & 様式第13の5 & 事故の発生後可能 \\
  その他の事故が発生し,ポリ塩化ビフェニル &    & な限り速やかに  \\
  を含有する絶縁油が構内以外に排出された, &    &    \\
  又は地下に浸透した場合 &    &    \\
\hline
\end{array}
\]

<届出対称となっている機器の種類>(環境省HPを基に作成)
\[
\begin{array}{|l|l|l|l|}
\hline
変圧器& 柱上変圧器 & 計器用変成器 & リアクトル \\
\hline
放電コイル & 整流器 & \color {red}{\underline {(ウ)コンデンサ    }} & サージアブソーバー \\
\hline
照明用安定器 & ネオン変圧器 & \mathrm {OF} \ ケーブル & 変圧器油 \\
\hline
コンデンサ油 & 熱媒体油 & その他 \ \mathrm {PCB} \ を含む油 & 感圧複写紙 \\
\hline
ウエス & 汚泥 & その他 & \\
\hline
\end{array}
\]