《電力》〈送電〉[R08上:問8]架空送電線路で用いられる電線の太さを決定する要因に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

架空送電線路で用いられる電線の太さを決定する際に考慮すべき項目として,特に関係のない事項はどれか。次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1) 機械的強度

 (2) コロナ放電の抑制

 (3) 電圧降下

 (4) 線路損失

 (5) 雷・開閉サージの波高

【ワンポイント解説】

電線の太さを決定する際に考慮すべき項目に関する問題です。
電線の太さは水でいうとホースの太さのようなイメージです。頭をそのように置き換えるとどの選択肢が関係するかわかりやすいかと思います。
本問は平成17年問12の類題となります。

1.電線の太さの選定で考慮される主な項目
①許容電流
 周囲の気温や種類,表皮効果等を考慮して,許容電流内で運用できる太さを選びます。

②機械的強度
 電線自重,風圧荷重,氷雪荷重などの複合荷重に十分耐えられる引張強さが必要です。

③電圧降下
 電線が細いと抵抗値が大きくなり,送電端と受電端の電圧降下が大きくなるため,許容範囲内に収まる太さを選定します。

④線路損失
 電線が細いと抵抗値が大きくなるので,抵抗損失を低減するには太い電線が有利です。

⑤コロナ放電の抑制(超高圧以上)
 電線表面の電界強度は電線外径が小さいほど高くなるので,コロナ放電が発生しやすくなり,コロナ損や近傍での誘導障害や通信障害等が発生します。これを抑えるため,臨界電圧を高められる十分な太さもしくは多導体方式を採用します。

⑥経済性
 太い電線を採用すると,電線費用・支持物の強化費用等のコストが増大します。損失費用や建設費を考慮して最もコストが安くなるように選定します。

【解答】

解答:(5)
(1)関係あり
ワンポイント解説「1.電線の太さの選定で考慮される主な項目」の通り,強風や着雪荷重,自重による引張張力に耐えられるよう,電線の機械的強度は太さを決定する要素となります。

(2)関係あり
ワンポイント解説「1.電線の太さの選定で考慮される主な項目」の通り,電線が細いと表面電界強度が高まりコロナ放電を起こしやすくなるため,コロナ放電の抑制は電線の太さを決定する要素となります。

(3)関係あり
ワンポイント解説「1.電線の太さの選定で考慮される主な項目」の通り,送電線路の抵抗値により電圧降下が変動するため,電圧降下は電線の太さを決定する要素となります。

(4)関係あり
ワンポイント解説「1.電線の太さの選定で考慮される主な項目」の通り,送電線路の抵抗値により線路損失が変動するため,線路損失は電線の太さを決定する要素となります。

(5)関係なし
雷サージや開閉サージの波高値は,がいしの連結個数,離隔距離,避雷器の配置等の線路の絶縁協調において考慮される事項であり,電線導体の太さを決定する直接の要素ではありません。