《機械》〈電気機器〉[H24:問9]太陽光発電設備におけるパワーコンディショナに関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,太陽光発電設備におけるパワーコンディショナに関する記述である。

近年,住宅に太陽光発電設備が設置され,低圧配電線に連系されることが増えてきた。連系のためには,太陽電池と配電線との間にパワーコンディショナが設置される。パワーコンディショナは\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)と系統連系用保護装置とが一体になった装置である。パワーコンディショナは,連系中の配電線で事故が生じた場合に,太陽光発電設備が\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)状態を継続しないように,これを検出して太陽光発電設備を系統から切り離す機能をもっている。パワーコンディショナには,\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)の検出のために,電圧位相や\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)の急変などを常時監視する機能が組み込まれている。ただし,配電線側で発生する\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)に対しては,系統からの不要な切り離しをしないよう対策がとられている。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

\[
\begin{array}{ccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) \\
\hline
(1) & 逆変換装置 & 単独運転 & 周波数 & 瞬時電圧低下 \\
\hline
(2) & 逆変換装置 & 単独運転 & 発電電力 & 瞬時電圧低下 \\
\hline
(3) & 逆変換装置 & 自立運転 & 発電電力 & 停 電 \\
\hline
(4) & 整流装置 & 自立運転 & 発電電力 & 停 電 \\
\hline
(5) & 整流装置 & 単独運転 & 周波数 & 停 電 \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

太陽光発電設備の設置に関する問題で,(イ)や(エ)の内容はどちらかというと,電力や法規科目に出題されやすい内容と言えます。

【解答】

解答:(1)
(ア)
太陽電池で発電される電力は直流であるため,系統に連系するためには,直流を交流に変える逆変換装置を設ける必要があります。整流装置は交流を直流に変える装置です。

(イ)
電気設備技術基準の解釈第227条第一項1のハの通り,太陽光発電設備を含む分散型電源が単独運転状態とならないように規定されています。

(ウ)
単独運転を検出するための装置として,分散型電源には位相や周波数の急変等を監視する機能が組み込まれています。

(エ)
瞬時電圧低下は,落雷等により,一時的に電圧が低下する現象で系統から切り離してしまうと,系統の擾乱が発生してしまう可能性があります。したがって,瞬時電圧低下となります。停電時は系統から切り離す必要があります。

<電気設備技術基準の解釈第220条(抜粋)>
この解釈において用いる分散型電源の系統連系設備に係る用語であって、次の各号に掲げるものの定義は当該各号による。

五 単独運転 分散型電源を連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態において、当該分散型電源が発電を継続し、線路負荷に有効電力を供給している状態

七 自立運転 分散型電源が、連系している電力系統から解列された状態において、当該分散型電源設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態

<電気設備技術基準の解釈第227条(抜粋)>
低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は、次の各号により、異常時に分散型電源を自動的に解列するための装置を施設すること。

一 次に掲げる異常を保護リレー等により検出し、分散型電源を自動的に解列すること。
イ 分散型電源の異常又は故障
ロ 連系している電力系統の短絡事故、地絡事故又は高低圧混触事故
ハ (イ)分散型電源の単独運転又は逆充電