《法規》〈電気事業法〉[R4上:問1]受電電圧7000V以下の需要設備の保安体系に関する空欄穴埋問題


【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の図は,「電気事業法」に基づく一般用電気工作物及び自家用電気工作物のうち受電電圧\( \ 7 \ 000 \ \mathrm {V} \ \)以下の需要設備の保安体系に関する記述を表したものである。ただし,除外事項,限度事項等の記述は省略している。

なお,この問において,技術基準とは電気設備技術基準のことをいう。

図中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

\[
\begin{array}{ccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) \\
\hline
(1) &  所有者又は占有者  &  登録調査機関  &  検査要領書  &  提出  \\
\hline
(2) &  電線路維持運用者  &  電気主任技術者  &  検査要領書  &  作成  \\
\hline
(3) &  所有者又は占有者  &  電気主任技術者  &  保安規程  &  作成  \\
\hline
(4) &  電線路維持運用者  &  登録調査機関  &  保安規程  &  提出  \\
\hline
(5) &  電線路維持運用者  &  登録調査機関  &  検査要領書  &  作成  \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

電気事業法第42条,第57条,第57条の2及び第106条からの出題です。
(ア)の空欄に関しては令和3年問1においても全く同じ空欄が出題されました。一般用電気工作物の調査は電線路維持運用者という用語を使用します。必ず覚えておくようにしましょう。
本問は(エ)以外の空欄は非常に重要な内容となりますので,必ず覚えておくようにしましょう。

【解答】

解答:(4)
(ア)
電気事業法第57条第1項及び電気事業法第57条の2第1項の通り,「電線路維持運用者」となります。

(イ)
電気事業法第57条の2第1項の通り,「登録調査機関」となります。

(ウ)
電気事業法第42条第1項の通り,「保安規程」となります。

(エ)
電気事業法第106条第6項の通り,「提出」となります。

<電気事業法第42条>
事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため、主務省令で定めるところにより、保安を一体的に確保することが必要な事業用電気工作物の組織ごとに(ウ)保安規程を定め、当該組織における事業用電気工作物の使用(第51条第1項の自主検査又は第52条第1項の事業者検査を伴うものにあつては、その工事)の開始前に、主務大臣に届け出なければならない。

2 事業用電気工作物を設置する者は、保安規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を主務大臣に届け出なければならない。

3 主務大臣は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため必要があると認めるときは、事業用電気工作物を設置する者に対し、保安規程を変更すべきことを命ずることができる。

4 事業用電気工作物を設置する者及びその従業者は、保安規程を守らなければならない。

<電気事業法第57条>
一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し、及び運用する者(以下この条、次条及び第89条において「(ア)電線路維持運用者」という。)は、経済産業省令で定める場合を除き、経済産業省令で定めるところにより、その一般用電気工作物が前条第1項の経済産業省令で定める技術基準に適合しているかどうかを調査しなければならない。ただし、その一般用電気工作物の設置の場所に立ち入ることにつき、その所有者又は占有者の承諾を得ることができないときは、この限りでない。

2 電線路維持運用者は、前項の規定による調査の結果、一般用電気工作物が前条第一項の経済産業省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、遅滞なく、その技術基準に適合するようにするためとるべき措置及びその措置をとらなかつた場合に生ずべき結果をその所有者又は占有者に通知しなければならない。

3 経済産業大臣は、電線路維持運用者が第1項の規定による調査若しくは前項の規定による通知をせず、又はその調査若しくは通知の方法が適当でないときは、その電線路維持運用者に対し、その調査若しくは通知を行い、又はその調査若しくは通知の方法を改善すべきことを命ずることができる。

4 電線路維持運用者は、帳簿を備え、第1項の規定による調査及び第2項の規定による通知に関する業務に関し経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。

5 前項の帳簿は、経済産業省令で定めるところにより、保存しなければならない。

<電気事業法第57条の2>
(ア)電線路維持運用者は、経済産業大臣の登録を受けた者(以下「(イ)登録調査機関」という。)に、その電線路維持運用者が維持し、及び運用する電線路と直接に電気的に接続する一般用電気工作物について、その一般用電気工作物が第56条第1項の経済産業省令で定める技術基準に適合しているかどうかを調査すること並びにその調査の結果その一般用電気工作物がその技術基準に適合していないときは、その技術基準に適合するようにするためとるべき措置及びその措置をとらなかつた場合に生ずべき結果をその所有者又は占有者に通知すること(以下「調査業務」という。)を委託することができる。

2 電線路維持運用者は、前項の規定により登録調査機関に調査業務を委託したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。委託に係る契約が効力を失つたときも、同様とする。

3 前条第1項の規定は、電線路維持運用者が第1項の規定により登録調査機関に調査業務を委託しているときは、その委託に係る一般用電気工作物については、適用しない。

<電気事業法第106条(抜粋)>
主務大臣は、第39条、第40条、第47条、第49条及び第50条の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、原子力を原動力とする発電用の電気工作物(以下「原子力発電工作物」という。)を設置する者に対し、その原子力発電工作物の保安に係る業務の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる。

6 経済産業大臣は、第1項の規定によるもののほか、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、自家用電気工作物を設置する者、自家用電気工作物の保守点検を行つた事業者又は登録調査機関に対し、その業務の状況に関し報告又は資料の(エ)提出をさせることができる。