《機械》〈パワーエレクトロニクス〉[H26:問16]直流チョッパに関する計算問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

図のように他励直流機を直流チョッパで駆動する。電源電圧はE=200 Vで一定とし,直流機の電機子電圧をVとする。IGBT Q1及びQ2をオンオフ動作させるときのスイッチング周波数は500 Hzであるとする。なお,本問では直流機の定常状態だけを扱うものとする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) この直流機を電動機として駆動する場合,Q2をオフとし,Q1をオンオフ制御することで,Vを調整することができる。電圧V1の平均値が150 Vのとき,1周期の中でQ1がオンになっている時間の値[ms]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1) 0.75  (2) 1.00  (3) 1.25  (4) 1.50  (5) 1.75

(b) Q1をオフしてQ2をオンオフ制御することで,電機子電流の向きを(a)の場合と反対にし,直流機に発電動作(回生制動)をさせることができる。この制御において,スイッチングの1周期の間でQ2がオンになっている時間が0.4msのとき,この直流機の電機子電圧V [V]として,最も近いVの値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1) 40  (2) 160  (3) 200  (4) 250  (5) 1000

【ワンポイント解説】

スイッチング素子の問題はオンとオフのそれぞれの状態の時にどのように電流が流れるかを検討すれば良いです。よく検討して,解答を導き出すようにしましょう。

【関連する「電気の神髄」記事】

  2象限チョッパ回路(可逆チョッパ回路)

【解答】

(a)解答:(4)
Q1がオンの時とオフの時に導通する回路は図1の通りとなる。
図1より,Q1がオンの時,V1の電圧は200 VQ1がオフの時,V1の電圧は0 Vとなる。
スイッチング周波数が500 Hzであるから,1周期あたりの時間Tは,
T=1500=0.002 [s]  2 [ms]

となる。よって,Q1がオンの時の時間をTONQ1がオフの時の時間をTOFFとすると,その平均電圧の導出から,
V1=TONTON+TOFFE150=TON2×200TON=1.50 [ms]
と求められる。

(b)解答:(2)
Q2がオンの時とオフの時に導通する回路は図2の通りとなる。
図2より,Q2がオンの時,V1の電圧は0 VQ2がオフの時,V1の電圧は電源電圧と同じ200 Vとなる。
題意より,Q2がオンの時間がTON=0.4 msであるから,Q2がオフの時間がTOFF=1.6 msとなる。
よって直流機の電機子電圧Vは,
V=TOFFTON+TOFFE=1.62×200=160 [V]

と求められる。