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【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
\( \ \mathrm {pn} \ \)接合の半導体を使用した太陽電池は,太陽の光エネルギーを電気エネルギーに直接変換するものである。半導体の\( \ \mathrm {pn} \ \)接合部分に光が当たると,光のエネルギーによって新たに\( \ \fbox { (ア) } \ \)と\( \ \fbox { (イ) } \ \)が生成され,\( \ \fbox { (ア) } \ \)は\( \ \mathrm {p} \ \)形領域に,\( \ \fbox { (イ) } \ \)は\( \ \mathrm {n} \ \)形領域に移動する。その結果,\( \ \mathrm {p} \ \)形領域と\( \ \mathrm {n} \ \)形領域の間に\( \ \fbox { (ウ) } \ \)が発生する。この\( \ \fbox { (ウ) } \ \)は光を当てている間持続し,外部電気回路を接続すれば,光エネルギーを電気エネルギーとして取り出すことができる。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に当てはまる語句として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
\[
\begin{array}{cccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) \\
\hline
(1) & 電 子 & 正 孔 & 起磁力 \\
\hline
(2) & 正 孔 & 電 子 & 起電力 \\
\hline
(3) & 電 子 & 正 孔 & 空間電荷層 \\
\hline
(4) & 正 孔 & 電 子 & 起磁力 \\
\hline
(5) & 電 子 & 正 孔 & 起電力 \\
\hline
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
\( \ \mathrm {pn} \ \)接合した太陽電池の原理を問う問題です。
どちらかというと電力科目で出題されても良い問題かもしれませんが,半導体と関係するため理論科目や場合によっては機械科目で出題されてもおかしくない内容となります。
1.太陽電池の構造と原理
図1のように\( \ \mathrm {pn} \ \)接合した半導体に光を照射すると,電子・正孔対が生成され,電子は\( \ \mathrm {n} \ \)形半導体側に正孔は\( \ \mathrm {p} \ \)形半導体側に引き寄せられエネルギーが溜まった状態,すなわち起電力が発生します。これを光起電力効果といいます。その後,外部負荷を接続すると,溜まった電子及び正孔が外部抵抗側に行き,抵抗でエネルギーを消費することになります。
【解答】
解答:(2)
(ア)
ワンポイント解説「1.太陽電池の構造」の通り,光のエネルギーにより生成された電子・正孔対のうち,\( \ \mathrm {p} \ \)形領域に移動するのは正孔となります。
(イ)
ワンポイント解説「1.太陽電池の構造」の通り,光のエネルギーにより生成された電子・正孔対のうち,\( \ \mathrm {n} \ \)形領域に移動するのは電子となります。
(ウ)
ワンポイント解説「1.太陽電池の構造」の通り,電子と正孔が移動することにより\( \ \mathrm {p} \ \)形領域と\( \ \mathrm {n} \ \)形領域の間に起電力が発生します。