《理論》〈電気及び電子計測〉[H20:問14]電流計で測定する際に許される誤差に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

最大目盛\( \ 100 \ \mathrm {[mA]} \ \),階級\( \ 1.0 \ \)級\( \ \left( \mathrm {JIS}\right) \ \)の単一レンジの電流計がある。この電流計で\( \ 40 \ \mathrm {[mA]} \ \)を測定するときに,この電流計に許されている誤差\( \ \mathrm {[mA]} \ \)の大きさの最大値として,正しいのは次のうちどれか。

 (1) \( \ 0.2 \ \)  (2) \( \ 0.4 \ \)  (3) \( \ 1.0 \ \)  (4) \( \ 2.0 \ \)  (5) \( \ 4.0 \ \)  

【ワンポイント解説】

電流計での測定で許される誤差に関する問題です。
誤差は最大目盛に対する誤差になるので,できるだけ最大目盛で測定する方が誤差率は小さくなります。磁石を用いているアナログ計器の電流計のメカニズムを考えると測定する電流値に関係なく誤差は発生することが想像がつくかと思います。

1.電流計,電圧計,電力計の階級
電流計,電圧計,電力計のアナログ計器は\( \ \mathrm {JIS} \ \)にて階級が設定されており,\( \ 0.2 \ \)級,\( \ 0.5 \ \)級,\( \ 1.0 \ \)級,\( \ 1.5 \ \)級,\( \ 2.5 \ \)級,の\( \ 5 \ \)つがあります。数字は最大レンジに対する測定誤差を百分率で表したものであり,数字が小さい程測定誤差は小さくなります。例えば,\( \ 0.5 \ \)級で最大レンジが\( \ 1 \ \mathrm {[mA]} \ \)であれば,許容測定誤差\( \ \varepsilon \ \mathrm {[mA]} \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
\varepsilon &=&\frac {0.5}{100}\times 1 \\[ 5pt ] &=&0.005 \ \mathrm {[mA]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。

【解答】

解答:(3)
最大目盛\( \ 100 \ \mathrm {[mA]} \ \),階級\( \ 1.0 \ \)級なので,許されている誤差\( \ \varepsilon \ \mathrm {[mA]} \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
\varepsilon &=&\frac {1.0}{100}\times 100 \\[ 5pt ] &=&1.0 \ \mathrm {[mA]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。