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【問題】
【難易度】★★★☆☆(普通)
図1にソース接地の\( \ \mathrm {FET} \ \)増幅器の静特性に注目した回路を示す。この回路の\( \ \mathrm {FET} \ \)のドレーン-ソース間電圧\( \ V_{DS} \ \)とドレーン電流\( \ I_{D} \ \)の特性は,図2に示す。図1の回路において,ゲート-ソース間電圧\( \ V_{GS}=-0.1 \ \mathrm {[V]} \ \)のとき,ドレーン-ソース間電圧\( \ V_{DS} \ \mathrm {[V]} \ \),ドレーン電流\( \ I_{D} \ \mathrm {[mA]} \ \)の値として,最も近いものを組み合わせたのは次のうちどれか。
ただし,直流電源電圧\( \ E_{2}=12 \ \mathrm {[V]} \ \),負荷抵抗\( \ R=1.2 \ \mathrm {[k\Omega ]} \ \)とする。
\[
\begin{array}{ccc}
& V_{DS} & I_{D} \\
\hline
(1) & 0.8 & 5.0 \\
\hline
(2) & 3.0 & 5.8 \\
\hline
(3) & 4.2 & 6.5 \\
\hline
(4) & 4.8 & 6.0 \\
\hline
(5) & 12 & 8.4 \\
\hline
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
\( \ \mathrm {FET} \ \)増幅器の静特性から動作点を求める問題です。
このような静特性の問題はパターンがほぼ決まっており,特別な公式を必要としません。また多くの受験生が勉強しない分野でもあるので,ぜひ得点源にできるようにしましょう。
【解答】
解答:(4)
図1-1に示す閉回路にキルヒホッフの法則を適用すると,
\[
\begin{eqnarray}
E_{2}-RI_{D} &=&V_{DS} \\[ 5pt ]
RI_{D} &=&E_{2}-V_{DS} \\[ 5pt ]
I_{D} &=&\frac {E_{2}-V_{DS}}{R} \\[ 5pt ]
&=&\frac {12-V_{DS}}{1.2\times 10^{3}} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
となり,\( \ V_{DS}=0 \ \mathrm {[V]} \ \)のとき\( \ I_{D}=10\times 10^{-3} \ \mathrm {[A]} =10 \ \mathrm {[mA]} \ \),\( \ V_{DS}=12 \ \mathrm {[V]} \ \)のとき\( \ I_{D}=0 \ \mathrm {[A]} \ \)であることから,\( \ I_{D} \ \)と\( \ V_{DS} \ \)の関係は図2-1に示すような直線となる。
ここで,\( \ V_{GS}=-0.1 \ \mathrm {[V]} \ \)であることから,動作点は図2-1に示す通りとなり,このときの\( \ V_{DS}=4.8 \ \mathrm {[V]} \ \)と\( \ I_{D}=6 \ \mathrm {[mA]} \ \)が読み取れる。