《理論》〈電気回路〉[H26:問8]交流回路の並列接続に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

図の交流回路において,電源を流れる電流\(I \ \mathrm {[A]}\)の大きさが最小となるように静電容量\(C \ \mathrm {[F]}\)の値を調整した。このときの回路の力率の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) \(0.11\)  (2) \(0.50\)  (3) \(0.71\)  (4) \(0.87\)  (5) \(1\)

【ワンポイント解説】

電気の勉強に習熟してくると1秒で解けてしまう問題です。本問の場合,電流は力率が1の時最小となることを知っていれば,本問は下記のような計算は不要と思います。

1.リアクトル\(L\)とコンデンサ\(C\)のインピーダンス
インダクタンス\(L\)のリアクトルと静電容量\(C\)のコンデンサのインピーダンスとアドミタンスは,電源の周波数を\(f\)とすると,
\[
\begin{eqnarray}
Z_{\mathrm {L}}&=&j\omega L ,&Y_{\mathrm {L}}=&\frac {1}{j\omega L} \\[ 5pt ] Z_{\mathrm {C}}&=&\frac {1}{j\omega C} ,&Y_{\mathrm {C}}=&j\omega C \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。

【解答】

解答:(5)
リアクトルと抵抗の合成インピーダンス\(Z\)は,
\[
\begin{eqnarray}
Z&=&R+j\omega L \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] であるから,コンデンサを含めた合成アドミタンス\(Y\)は,
\[
\begin{eqnarray}
Y&=&j\omega C+\frac {1}{Z} \\[ 5pt ] &=&j\omega C+\frac {1}{R+j\omega L} \\[ 5pt ] &=&j\omega C+\frac {R-j\omega L}{R^{2}+\left( \omega L\right) ^{2}} \\[ 5pt ] &=&\frac {R}{R^{2}+\left( \omega L\right) ^{2}} +j\omega \left[ C-\frac {L}{R^{2}+\left( \omega L\right) ^{2}}\right] \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となる。ここで,\(I=\left| Y\right| V\)の関係があるので,\(I\)が最小となるためには,\(\left| Y\right| \)が最小となる必要があり,\(C\)は虚数部のみの変数であるため,虚数部が\(0\)となれば最小となる。
よって,電流と電圧は同位相となり,力率は\(1\)となる。