【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
図のように,抵抗\( \ R \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)と抵抗\( \ R_{\mathrm {x}} \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)を並列に接続した回路がある。この回路に直流電圧\( \ V \ \mathrm {[V]} \ \)を加えたところ,電流\( \ I \ \mathrm {[A]} \ \)が流れた。\( \ R_{\mathrm {x}} \ \mathrm {[\Omega ]} \ \)の値を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) \( \ \displaystyle \frac {V}{I}+R \ \) (2) \( \ \displaystyle \frac {V}{I}-R \ \) (3) \( \ \displaystyle \frac {R}{\displaystyle \frac {IR}{V}-V} \ \)
(4) \( \ \displaystyle \frac {V}{\displaystyle \frac {I}{V-R}} \ \) (5) \( \ \displaystyle \frac {VR}{IR-V} \ \)
【ワンポイント解説】
キルヒホッフの法則の第1法則を利用して解く方法,第2法則を利用して解く方法,合成抵抗を求めてオームの法則で解く方法等いろいろな方法があります。答えが合っていればどの方法でも構いません。
1.キルヒホッフの法則
キルヒホッフの法則には第1法則と第2法則がありますが,法則を説明できる必要はなく,計算で使いこなせることが重要です。
①第1法則
回路の接続点に流入する電流の和と流出する電流の和が等しい。
図1で言えば,例えば接続点\( \ \mathrm {A} \ \)において,
\[
\begin{eqnarray}
I &=&I_{1}+I_{2} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
となります。
②第2法則
任意の閉回路において,起電力の総和と抵抗の電圧降下の和は等しい。
図1で言えば,例えば閉回路\( \ 1 \ \)において,
\[
\begin{eqnarray}
V &=&RI+R_{1}I_{1} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
となります。
【関連する「電気の神髄」記事】
【解答】
解答:(5)
抵抗\( \ R \ \)及び\( \ R_{\mathrm {x}} \ \)に流れる電流\( \ I_{\mathrm {R}} \ \)及び\( \ I_{\mathrm {Rx}} \ \)は,オームの法則より,
\[
\begin{eqnarray}
I_{\mathrm {R}} &=&\frac {V}{R} \\[ 5pt ]
I_{\mathrm {Rx}} &=&\frac {V}{R_{\mathrm {x}}} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
であるから,キルヒホッフの第1法則を適用すると,
\[
\begin{eqnarray}
I &=&I_{\mathrm {R}}+I_{\mathrm {Rx}} \\[ 5pt ]
&=&\frac {V}{R}+\frac {V}{R_{\mathrm {x}}} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
となる。これを\( \ R_{\mathrm {x}} \ \)について整理すると,
\[
\begin{eqnarray}
\frac {V}{R}+\frac {V}{R_{\mathrm {x}}} &=&I \\[ 5pt ]
\frac {V}{R_{\mathrm {x}}} &=&I-\frac {V}{R} \\[ 5pt ]
\frac {V}{R_{\mathrm {x}}} &=&\frac {IR-V}{R} \\[ 5pt ]
\frac {R_{\mathrm {x}}}{V} &=&\frac {R}{IR-V} \\[ 5pt ]
R_{\mathrm {x}} &=&\frac {VR}{IR-V} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
と求められる。