《理論》〈電気回路〉[H29:問8]交流回路の回路計算に関する問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

図のように,交流電圧\(E=100\mathrm {V}\)の電源,誘導性リアクタンス\(X=4\Omega \)のコイル,\(R_{1}\left[ \Omega \right]\),\(R_{2}\left[ \Omega \right]\)の抵抗からなる回路がある。いま,回路を流れる電流の値が\(I=20\mathrm {A}\)であり,また,抵抗\(R_{1}\)に流れる電流\(I_{1}\left[ \mathrm {A}\right] \)と抵抗\(R_{2}\)に流れる電流\(I_{2}\left[ \mathrm {A}\right] \)との比が,\(I_{1}:I_{2}=1:3\)であった。この時,抵抗\(R_{1}\)の値\(\left[ \Omega \right]\)として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 1.0  (2) 3.0  (3) 4.0  (4) 9.0  (5) 12

【ワンポイント解説】

交流回路ではリアクトルとコンデンサで電圧と電流に90°の位相差が発生します。したがって,回路計算する際は,ベクトル図を書くとわかりやすくなると思います。

1.並列回路の合成抵抗
\(R_{1}\)と\(R_{2}\)の並列回路の合成抵抗\(R\)
\[
\frac {1}{R}=\frac {1}{R_{1}}+\frac {1}{R_{2}}
\] すなわち,
\[
R=\frac{R_{1}R_{2}}{R_{1}+R_{2}}
\]

2.交流回路における抵抗とリアクトルの特性
図1において電源の電圧を\(E\),リアクトル\(X\)と抵抗\(R\)に流れる電流を\(I\)とすると,リアクトルは電流が電圧より90°遅れるため,ベクトル図は図2のように描ける。この時,
\[
V_{L}=XI,V_{R}=RI
\] \[
E=\sqrt {V_{L}^{2}+V_{R}^{2}}=\sqrt {\left( XI\right) ^{2}+\left( RI\right) ^{2}}=\sqrt {X^{2}+R^{2}}I
\]

【解答】

解答:(5)
題意より,\(I_{1}:I_{2}=1:3\)であるから,\(R_{1}:R_{2}=3:1\)となる。すなわち,\(R_{1}=3R_{2}\)となるので,\(R_{1}\)と\(R_{2}\)の並列合成抵抗\(R\)は,
\[
\begin{eqnarray}
R &=& \frac{R_{1}R_{2}}{R_{1}+R_{2}} \\[ 5pt ] &=& \frac{3R_{2}\cdot R_{2}}{3R_{2}+R_{2}} \\[ 5pt ] &=& \frac {3}{4}R_{2} \\[ 5pt ] &=& \frac {R_{1}}{4}
\end{eqnarray}
\] となる。ワンポイント解説「2.交流回路における抵抗とリアクトルの特性」より,
\[
\begin{eqnarray}
&& E &=& \sqrt {X^{2}+R^{2}}I \\[ 5pt ] &⇔& 100 &=& \sqrt {4^{2}+R^{2}}\times 20 \\[ 5pt ] &⇔&  5 &=& \sqrt {4^{2}+R^{2}} \\[ 5pt ] &⇔&  25 &=& 4^{2}+R^{2} \\[ 5pt ] &⇔&  R &=& 3
\end{eqnarray}
\] となる。ゆえに,
\[
R_{1}=4R=4\times 3=12\left[ \Omega \right] \] と求められる。