電験3種平成29年電力の問16の「受電端を開放」の考え方について教えて下さい。

【質問】

いつもお世話になっております。

電験3種平成29年電力の問16の問題について,問題文にある受電端を開放のイメージがつきません。ザックリした質問になりますが、分かりやすくご説明いただけないでしょうか。

また、二つの状況に応じた等価回路を考える際、省略するコンデンサがありますが、なぜ省略なのでしょうか。電位差がないから省略するのでしょうか。もしそうならば,なぜ電位差がないのでしょうか。

【回答】

ご質問ありがとうございます。
問題図はケーブルの断面を見た図ですが,実際には立体的にイメージすると分かりやすいと思います。過去問でも類題が出題されていたりしますが,電験ではなぜかどれも断面図を使用しています。問題慣れをして,頭の中で立体的なイメージができると良いと思います。

まず一つ目の「受電端を開放した状態で,送電端で三つの心線を一括してこれと大地間に定格電圧\( \ E \ \mathrm {[V]} \ \)の\( \ \displaystyle \frac {1}{\sqrt {3}} \ \)倍の交流電圧を加えて充電する」というのは図1のようなイメージです。
受電端は開放なので,何も繋がっていない状態で,送電端は三つの心線を一括してというのは,三つの心線を短絡して\( \ E \ \mathrm {[V]} \ \)の\( \ \displaystyle \frac {1}{\sqrt {3}} \ \)倍の電源を接続するということです。この図をイメージできれば,どこの静電容量が計算と関係して,どこの静電容量は短絡されるかが分かると思います。

また,二つ目の「二つの心線の受電端・送電端を接地し,受電端を開放した残りの心線と大地間に定格電圧\( \ E \ \mathrm {[V]} \ \)の\( \ \displaystyle \frac {1}{\sqrt {3}} \ \)倍の交流電圧を送電端に加えて充電する」というのは図2のようなイメージとなります。
こちらのイメージの方が若干湧きにくいかもしれませんが,解答で示した断面図と組み合わせて理解して頂ければと思います。図2においては下の二つの心線を接地しているので,どちらも電位が零となり,接地線を介して短絡している状態となります。よって,二つの心線の間の線間静電容量は無視することになります。

【参考:解答の断面図のイメージ(図3)】