《電力》〈変電〉[H28:問3] 電力用変圧器の運転中に発生する損失に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,電力用変圧器の運転時に発生する損失に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

変圧器の損失は無負荷損と負荷損からなる。この内,負荷損は一方の巻線を短絡した状態で他方の巻線へ定格周波数の電圧を加え,定格電流を流したときに生じる損失であるが,その値は巻線の抵抗値(電流の2乗×直流抵抗)よりも大きくなる。これは,漏れ磁束が巻線やタンクなどへ鎖交して渦電流が流れることによって\( \ \fbox {  (1)  } \ \)を生じるためである。この損失は\( \ \fbox {  (2)  } \ \)ほど大きくなるため,変圧器の設計に当たり配慮が必要である。
漏れ磁束によって巻線内に発生する損失は,漏れ磁束と\( \ \fbox {  (3)  } \ \)の巻線導体幅の2乗におおむね比例することから,これを低減するためには導体の細分化が有効である。導体を複数の絶縁素線に分割し,途中で素線の\( \ \fbox {  (4)  } \ \)を変える電線を転位電線といい,定格電流が大きい巻線などに適用されている。
また,漏れ磁束によってタンクなどで発生する損失は局部過熱の原因ともなる。タンクへ鎖交する漏れ磁束への対策として,けい素鋼板やアルミニウムなどのシールドを設置することが行われている。この内,アルミニウムなどの良電導性のシールドは,シールドに渦電流が流れタンクへ向かう漏れ磁束を\( \ \fbox {  (5)  } \ \)ことで損失・局部過熱を防止するものである。

〔問3の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 太 さ   &(ロ)& 漂遊負荷損   &(ハ)& 吸収する \\[ 5pt ] &(ニ)& 相互位置   &(ホ)& 透過する   &(ヘ)& 高インピーダンス器 \\[ 5pt ] &(ト)& 打ち消す   &(チ)& 低インピーダンス器      &(リ)& 直交する方向 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 45 \ 度の方向     &(ル)& 銅 損   &(ヲ)& 平行な方向 \\[ 5pt ] &(ワ)& 硬 さ   &(カ)& 高電圧器   &(ヨ)& ヒステリシス損
\end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

本問は電力というよりはどちらかというと機械科目よりの問題です。変圧器の損失は三種から頻繁に出題されています。三種では基本的に鉄損と銅損を知っていればよかったかもしれませんが,二種ではもう少し細かく分類を理解しておく必要があります。

【関連する「電気の神髄」記事】

  変圧器の無負荷損
  変圧器の負荷損

【解答】

(1)解答:ロ
文脈から,解答候補は(ロ)漂遊負荷損,(ル)銅損,(ヨ)ヒステリシス損になると思います。ワンポイント解説の通り,漏れ磁束により発生する損失は漂遊負荷損となります。

(2)解答:ヘ
文脈から,解答候補は(ヘ)高インピーダンス器,(チ)低インピーダンス器,(カ)高電圧器になると思います。漂遊負荷損は値としては銅損より圧倒的に小さく正確に測定することが難しいですが,高インピーダンス器ほど大きくなる性質があります。

(3)解答:リ
文脈から,解答候補は(リ)直交する方向,(ヌ)45度の方向,(ヲ)平行な方向となると思います。漏れ磁束によって発生する損失は,直交する方向の巻線導体幅の2乗(断面積)におおむね比例します。

(4)解答:ニ
文脈から,解答候補は(イ)太さ,(ニ)相互位置,(ワ)硬さとなると思います。導体の細分化を行うことで,並列導体間に漏れ磁束による誘導起電力が生じ,循環電流が流れるため,相互位置を入れ替え,全体として誘導電圧を小さくして循環電流を抑制する転位という方法を行います。

(5)解答:ト
文脈から,解答候補は(ハ)吸収する,(ホ)透過する,(ト)打ち消すとなると思います。漏れ磁束による局部加熱の対策のため,シールドを設置し,シールドに発生する渦電流により漏れ磁束を打ち消します。



記事下のシェアタイトル