【問題】
【難易度】★★★☆☆(普通)
図1の端子 a–d 間の合成静電容量について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 端子 b–c–d 間は図2のように Δ 結線で接続されている。これを図3のように Y 結線に変換したとき,電気的に等価となるコンデンサ C の値 [μF] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 1.0 (2) 2.0 (3) 4.5 (4) 6.0 (5) 9.0
(b) 図3を用いて,図1の端子 b–c–d 間を Y 結線回路に変換したとき,図1の端子 a–d 間の合成静電容量 C0 の値 [μF] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 3.0 (2) 4.5 (3) 4.8 (4) 6.0 (5) 9.0
【ワンポイント解説】
直並列接続したコンデンサの合成静電容量を求める問題です。
(a)は確実に得点しておきたい設問,(b)は計算間違いのないように注意しながら解いていく設問です。 Δ−Y 変換,静電容量と抵抗の考え方の違い等重要な内容を多く含みますので,ぜひ理解するようにして下さい。
本問は平成27年問16からの再出題となります。
1.抵抗,コイル,コンデンサの電圧 V [V] と電流 I [A] の関係
抵抗 R [Ω] ,コイル L [H] ,コンデンサ C [F] があり,電源の角周波数 ω [rad/s] 及び周波数 f [Hz] が与えられているとき,それぞれのインピーダンスは,
˙ZR=R˙ZL=jωL=j2πfL˙ZC=1jωC=1j2πfC
で求められ,それぞれの電圧と電流の関係は,
˙VR=R˙I˙VL=jωL˙I˙VC=˙IjωC
となります。この関係をベクトル図に表すと,図4~図6となります。

2.コンデンサの合成静電容量
静電容量 C1 [F] と C2 [F] の合成静電容量 C [F] は,
並列接続時: C=C1+C2
直列接続時: C=11C1+1C2=C1C2C1+C2
となります。
3. Δ−Y 変換と Y−Δ 変換
① Δ−Y 変換
図7において,
˙Za=˙Zab˙Zca˙Zab+˙Zbc+˙Zca˙Zb=˙Zbc˙Zab˙Zab+˙Zbc+˙Zca˙Zc=˙Zca˙Zbc˙Zab+˙Zbc+˙Zca
② Y−Δ 変換
図7において,
˙Zab=˙Za˙Zb+˙Zb˙Zc+˙Zc˙Za˙Zc˙Zbc=˙Za˙Zb+˙Zb˙Zc+˙Zc˙Za˙Za˙Zca=˙Za˙Zb+˙Zb˙Zc+˙Zc˙Za˙Zb
平衡三相回路においては,
˙Zab=˙Zbc=˙Zca=3˙Za=3˙Zb=3˙Zc
となります。

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【解答】
(a)解答:(5)
ワンポイント解説「3. Δ−Y 変換と Y−Δ 変換」の通り,三相平衡回路での Y 接続時のインピーダンスは Δ 接続時の 13 倍となるから,
1jωCY=13⋅1jωCΔ1CY=13CΔCY=3CΔ
の関係があるので,図2における C [μF] は,
C=3×3=9 [μF]
と求められる。
(b)解答:(3)
(a)の解答を元に図1の回路を整理すると図8のようになる。
C1=9 [μF] と C3=9 [μF] の合成静電容量 C13 [μF] は,ワンポイント解説「2.コンデンサの合成静電容量」の通り,
C13=C1C3C1+C3=9×99+9=4.5 [μF]
となり, C2=18 [μF] と C4=9 [μF] の合成静電容量 C24 [μF] は,ワンポイント解説「2.コンデンサの合成静電容量」の通り,
C24=C2C4C2+C4=18×918+9=6 [μF]
となる。よって, C1 ~C4 までの合成静電容量 C1234 [μF] は,ワンポイント解説「2.コンデンサの合成静電容量」の通り,
C1234=C13+C24=4.5+6=10.5 [μF]
となる。したがって,端子 a−d 間の合成静電容量 C0 [μF] は,ワンポイント解説「2.コンデンサの合成静電容量」の通り,
\begin{eqnarray}
C_{0}&=&\frac {C_{1234}C_{5}}{C_{1234}+C_{5}} \\[ 5pt ]
&=&\frac {10.5\times 9}{10.5+9} \\[ 5pt ]
&≒&4.846 → 4.8 \ \mathrm {[\mu F]}
\end{eqnarray}
と求められる。
