《理論》〈電気回路〉[R05下:問17]直並列されたコンデンサの合成静電容量に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

図1の端子 ad 間の合成静電容量について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 端子 bcd 間は図2のように Δ 結線で接続されている。これを図3のように Y 結線に変換したとき,電気的に等価となるコンデンサ C の値 [μF] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1)  1.0   (2)  2.0   (3)  4.5   (4)   6.0   (5)  9.0 

(b) 図3を用いて,図1の端子 bcd 間を Y 結線回路に変換したとき,図1の端子 ad 間の合成静電容量 C0 の値 [μF] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1)  3.0   (2)  4.5   (3)  4.8   (4)   6.0   (5)  9.0 

【ワンポイント解説】

直並列接続したコンデンサの合成静電容量を求める問題です。
(a)は確実に得点しておきたい設問,(b)は計算間違いのないように注意しながら解いていく設問です。 ΔY 変換,静電容量と抵抗の考え方の違い等重要な内容を多く含みますので,ぜひ理解するようにして下さい。
本問は平成27年問16からの再出題となります。

1.抵抗,コイル,コンデンサの電圧 V [V] と電流 I [A] の関係
抵抗 R [Ω] ,コイル L [H] ,コンデンサ C [F] があり,電源の角周波数 ω [rad/s] 及び周波数 f [Hz] が与えられているとき,それぞれのインピーダンスは,
˙ZR=R˙ZL=jωL=j2πfL˙ZC=1jωC=1j2πfC で求められ,それぞれの電圧と電流の関係は,
˙VR=R˙I˙VL=jωL˙I˙VC=˙IjωC となります。この関係をベクトル図に表すと,図4~図6となります。

2.コンデンサの合成静電容量
静電容量 C1 [F]  C2 [F] の合成静電容量 C [F] は,
  並列接続時: C=C1+C2 
  直列接続時: C=11C1+1C2=C1C2C1+C2 
となります。

3. ΔY 変換と YΔ 変換
 ΔY 変換
図7において,
˙Za=˙Zab˙Zca˙Zab+˙Zbc+˙Zca˙Zb=˙Zbc˙Zab˙Zab+˙Zbc+˙Zca˙Zc=˙Zca˙Zbc˙Zab+˙Zbc+˙Zca  YΔ 変換
図7において,
˙Zab=˙Za˙Zb+˙Zb˙Zc+˙Zc˙Za˙Zc˙Zbc=˙Za˙Zb+˙Zb˙Zc+˙Zc˙Za˙Za˙Zca=˙Za˙Zb+˙Zb˙Zc+˙Zc˙Za˙Zb 平衡三相回路においては,
˙Zab=˙Zbc=˙Zca=3˙Za=3˙Zb=3˙Zc となります。

【関連する「電気の神髄」記事】

  Y⇔Δ回路のインピーダンス変換式

【解答】

(a)解答:(5)
ワンポイント解説「3. ΔY 変換と YΔ 変換」の通り,三相平衡回路での Y 接続時のインピーダンスは Δ 接続時の 13 倍となるから,
1jωCY=131jωCΔ1CY=13CΔCY=3CΔ の関係があるので,図2における C [μF] は,
C=3×3=9 [μF] と求められる。

(b)解答:(3)
(a)の解答を元に図1の回路を整理すると図8のようになる。
 C1=9 [μF]  C3=9 [μF] の合成静電容量 C13 [μF] は,ワンポイント解説「2.コンデンサの合成静電容量」の通り,
C13=C1C3C1+C3=9×99+9=4.5 [μF] となり, C2=18 [μF]  C4=9 [μF] の合成静電容量 C24 [μF] は,ワンポイント解説「2.コンデンサの合成静電容量」の通り,
C24=C2C4C2+C4=18×918+9=6 [μF] となる。よって, C1 C4 までの合成静電容量 C1234 [μF] は,ワンポイント解説「2.コンデンサの合成静電容量」の通り,
C1234=C13+C24=4.5+6=10.5 [μF] となる。したがって,端子 ad 間の合成静電容量 C0 [μF] は,ワンポイント解説「2.コンデンサの合成静電容量」の通り,
\begin{eqnarray} C_{0}&=&\frac {C_{1234}C_{5}}{C_{1234}+C_{5}} \\[ 5pt ] &=&\frac {10.5\times 9}{10.5+9} \\[ 5pt ] &≒&4.846 → 4.8 \ \mathrm {[\mu F]} \end{eqnarray} と求められる。