Contents
【問題】
【難易度】★★★☆☆(普通)
次の文章は,半導体レーザ(レーザダイオード)に関する記述である。
レーザダイオードは,図のような\( \ 3 \ \)層構造を成している。\( \ \mathrm {p} \ \)形層と\( \ \mathrm {n} \ \)形層に挟まれた層を\(\fbox { (ア) }\)層といい,この層は上部の\( \ \mathrm {p} \ \)形層及び下部の\( \ \mathrm {n} \ \)形層とは性質の異なる材料で作られている。前後の面は半導体結晶による自然な反射鏡になっている。
レーザダイオードに\(\fbox { (イ) }\)を流すと,\(\fbox { (ア) }\)層の自由電子が正孔と再結合して消滅するとき光を放出する。
この光が二つの反射鏡の間に閉じ込められることによって,\(\fbox { (ウ) }\)放出が起き,同じ波長の光が多量に生じ,外部にその一部が出力される。光の特別な波長だけが共振状態となって\(\fbox { (ウ) }\)放出が誘起されるので,強い同位相のコヒーレントな光が得られる。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{cccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) \\
\hline
(1) & 空 乏 & 逆電流 & 二 次 \\
\hline
(2) & 活 性 & 逆電流 & 誘 導 \\
\hline
(3) & 活 性 & 順電流 & 二 次 \\
\hline
(4) & 活 性 & 順電流 & 誘 導 \\
\hline
(5) & 空 乏 & 順電流 & 二 次 \\
\hline
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
レーザダイオードの特性に関する問題で,電験三種に出題されるレーザダイオードに関しては,これ以上の知識は必要ありません。文中の強い同位相のコヒーレントとは,位相が揃った強い光を発するという解釈で問題ありません。
【解答】
解答:(4)
(ア)
図の\( \ \mathrm {p} \ \)形層と\( \ \mathrm {n} \ \)形層に挟まれた領域を活性層と言い,ここで,反射を繰り返して光を増幅させます。
(イ)
レーザダイオードに流すのは順電流です。\( \ \mathrm {p} \ \)形層が上,\( \ \mathrm {n} \ \)形層が下になっているので順方向であることが分かります。
(ウ)
同じ波長の光が次々と誘起され,強い光が放出されることを誘導放出と言います。