《理論》〈電子理論〉[R07下:問13]水晶振動子と水晶発振回路に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★★★★(難しい)

水晶振動子と水晶発振回路に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 水晶振動子は,水晶片を二つの電極で挟んだ素子である。

(2) 水晶振動子の電気的な等価回路には,直列共振周波数と並列共振周波数の差が非常に小さいという特徴がある。

(3) 水晶発振回路は,\( \ \mathrm {LC} \ \)発振回路のコンデンサを水晶振動子に置き換えたものである。

(4) 水晶発振回路は,\( \ \mathrm {LC} \ \)発振回路と比較して周波数変動が非常に小さい。

(5) 水晶発振回路を用いた周波数シンセサイザは,無線送信機の周波数源として利用されている。

【ワンポイント解説】

水晶振動子と水晶発振回路に関する問題です。
非常によく使われる素子ですが,電験では出題されてこなかった内容なので,受験生にとっては厳しい問題であったかと思います。ほとんどの受験生はわからないと思われるので,他の問題でカバーするようにしましょう。

1.水晶振動子と水晶発振回路
水晶振動子は,水晶片(\( \ \mathrm {SiO_{2}} \ \))を電極で挟んだ素子で,図記号は図1,等価回路は図2のように表されます。
水晶片に交流電圧を加えると,水晶が変形振動しある特定の周波数で共振し安定した交流電圧を発生する圧電効果と呼ばれる振動から,安定的な信号が得られます。
等価回路でいうと直列共振周波数と並列共振周波数が近く,周波数変動が非常に小さいため,高精度で安定した一定の周波数の信号を得ることができるという仕組みになります。

水晶発振回路は,水晶振動子を利用した発振回路です。上記,直列共振周波数と並列共振周波数の間の周波数で,水晶振動子が誘導性リアクタンスとみなせる範囲で発振する回路で,ハートレー発振回路やコルピッツ発振回路といった\( \ \mathrm {LC} \ \)発振回路のリアクトルを置き換えたものが一般的です。
温度や圧力等の環境変化にも強く,\( \ \mathrm {LC} \ \)発振回路に比べ非常に正確な周波数を維持できるので,電子機器や無線機器等の多くの用途に利用されています。

【解答】

解答:(3)
(1):正しい
ワンポイント解説「1.水晶振動子と水晶発振回路」の通り,水晶振動子は,水晶片を二つの電極で挟んだ素子となります。

(2):正しい
ワンポイント解説「1.水晶振動子と水晶発振回路」の通り,水晶振動子の電気的な等価回路には,直列共振周波数と並列共振周波数の差が非常に小さいという特徴があります。

(3):誤り
ワンポイント解説「1.水晶振動子と水晶発振回路」の通り,水晶発振回路は\( \ \mathrm {LC} \ \)発振回路のリアクトルを水晶振動子に置き換えたものです。

(4):正しい
ワンポイント解説「1.水晶振動子と水晶発振回路」の通り,水晶発振回路は周波数変動が非常に小さいという特徴があります。

(5):正しい
ワンポイント解説「1.水晶振動子と水晶発振回路」の通り,水晶発振回路は,無線送信機の周波数源として利用されています。