《電力》〈新エネルギー発電〉[R3:問6]分散型電源として設置される新エネルギー発電の特徴に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

分散型電源に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 太陽電池で発生した直流の電力を交流系統に接続する場合は,インバータにより直流を交流に変換する。連系保護装置を用いると,系統の停電時などに電力の供給を止めることができる。

(2) 分散型電源からの逆潮流による系統電圧上昇を抑制する手段として,分散型電源の出力抑制や,電圧調整器を用いた電圧の制御などが行われる。

(3) 小水力発電では,河川や用水路などでの流込み式発電が用いられる場合が多い。

(4) 洋上の風力発電所と陸上の系統の接続では,海底ケーブルによる直流送電が用いられることがある。ケーブルでの直流送電のメリットとして,誘電損を考慮しなくてよいことなどが挙げられる。

(5) 一般的な燃料電池発電は,水素と酸素との吸熱反応を利用して電気エネルギーを作る発電方式であり,負荷変動に対する応答が早い。

【ワンポイント解説】

分散型電源のうち新エネルギーや再生可能エネルギーに関する出題です。
平成28年問5にも各種新エネルギー発電の概要に関する問題が出題されているので,数年に\( \ 1 \ \)回程度は出題されるパターンになるかと思います。

1.太陽光発電システムの概要
太陽光発電システムは以下に示すような設備で構成されています。
①太陽電池
 太陽電池モジュールを直並列し,太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換して発電します。原理上出力は直流となります。
②接続箱
 太陽電池アレイからの配線を集約し,パワーコンディショナへ電力を送ります。直流開閉器や逆流防止ダイオード,サージアブソーバ等を内蔵しています。
②パワーコンディショナ
 直流を交流に変換するインバータ,単独運転及び周波数や電圧等の異常を検出して系統から切り離す系統連系保護装置等で構成されています。
③分電盤
 電力を構内もしくは系統に分配する機能を持ちます。


出典:伯東株式会社 HP

2.燃料電池の概念図
燃料電池は燃料極に燃料として水素,空気極に酸素を供給して,化学変化から電気エネルギーを取り出す方法で,正極と負極では以下の反応があります。
\[
\begin{eqnarray}
負極&:&\mathrm {H_{2} → 2H^{+} +2e^{-}} \\[ 5pt ] 正極&:&\mathrm {\frac {1}{2}O_{2} + 2H^{+} +2e^{-} →H_{2}O} \\[ 5pt ] 全体&:&\mathrm {H_{2}+\frac {1}{2}O_{2} →H_{2}O} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【解答】

解答:(5)
(1)正しい
ワンポイント解説「1.太陽光発電システムの概要」の通り,太陽電池で発生した直流電力はインバータで交流に変換されます。また,パワーコンディショナには単独運転防止のため系統の停電時等に電力の供給を止める系統連系保護装置が内蔵されています。

(2)正しい
問題文の通り,逆潮流により系統電圧が規定値より上昇する場合には,出力抑制や電圧調整器等による調整が行われます。

(3)正しい
問題文の通り,小水力発電では河川や用水路などでの流込み式発電が用いられることが多いです。

(4)正しい
問題文の通り,洋上の風力発電では海底ケーブルによる直流送電を用いることが多いです。直流送電のメリットは平成24年問9にも出題されていますので,合わせて確認しておくようにしましょう。

(5)誤り
一般的な燃料電池発電はワンポイント解説「2.燃料電池の概念図」の通り,水素と酸素を反応させることにより発電しますが,その際の反応は発熱反応となります。