《機械》〈自動制御〉[H23:問13]機械,装置及び製造ラインなどの制御装置に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,自動制御に関する記述である。

機械,装置及び製造ラインの運転や調整などを制御装置によって行うことを自動制御という。自動制御は,シーケンス制御と\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)制御とに大別される。

シーケンス制御は,あらかじめ定められた手順や判断によって制御の各段階を順に進めていく制御である。この制御を行うための機器として電磁リレーがある。電磁リレーを用いた\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)シーケンス制御をリレーシーケンスという。

リレーシーケンスにおいて,\( \ 2 \ \)個の電磁リレーのそれぞれのコイルに,相手の\( \ \mathrm {b} \ \)接点を直列に接続して,両者が決して同時に働かないようにすることを\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)という。

シーケンス制御の動作内容の確認や,制御回路設計の手助けのために,横軸に時間を表し,縦軸にコイルや接点の動作状態を表したものを\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)という。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

\[
\begin{array}{ccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) \\
\hline
(1) & フィードバック   & 有接点 & インタロック & タイムチャート \\
\hline
(2) & フィードフォワード & 無接点 & ブロック   & フローチャート \\
\hline
(3) & フィードバック   & 有接点 & ブロック   & フローチャート \\
\hline
(4) & フィードフォワード & 有接点 & インタロック & タイムチャート \\
\hline
(5) & フィードバック   & 無接点 & ブロック   & タイムチャート \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

自動制御に関する論説問題です。
一般的に自動制御はブロック線図を使った計算問題等が出題されやすいですが,この年は自動制御の分類や仕組みに関する問題が出題されています。

1.自動制御の分類
①フィードバック制御
 制御量と目標値を比較して,それらを一致させるように操作量を決定する制御です。
 例えば汽力発電所の蒸気温度制御や蒸気圧力制御,給水の流量制御等があります。

②フィードフォワード制御
 目標値,外乱等の情報から,操作量を決定する制御です。
 フィードバック制御では外乱が発生してから対応するため,制御動作が遅くなりやすい性質がありますが,フィードフォワード制御により外乱が発生する前に予測し操作量を決定することが可能となります。

③シーケンス制御
 あらかじめ定められた論理回路の順序に従い,各段階を逐次進めていく制御で,以下の二つの種類があります。
 a.リレーシーケンス
  接点を有する電磁継電器を用いたシーケンスで有接点シーケンスともいいます。
 b.ロジックシーケンス
  半導体論理素子をスイッチとして利用したシーケンスで無接点シーケンスともいいます。

【解答】

解答:(1)
(ア)
ワンポイント解説「1.自動制御の分類」の通り,自動制御はフィードバック制御,フィードフォワード制御,シーケンス制御に分類されますが,フィードフォワード制御はフィードバック制御に補償回路を挿入したような制御なので,大きく二つに分ける場合はシーケンス制御とフィードバック制御がより適当となります。

(イ)
ワンポイント解説「1.自動制御の分類」の通り,リレーシーケンスは電磁リレーを用い有接点シーケンス制御といいます。

(ウ)
リレーシーケンスにおいて,\( \ 2 \ \)個の電磁リレーのそれぞれのコイルに対し,両者が同時に働かないようにすることをインタロックといいます。
なお,\( \ \mathrm {b} \ \)接点とは信号が入ったときにオフする接点で,信号が入ったときにオンする接点を\( \ \mathrm {a} \ \)接点と呼びます。
したがって,相手の\( \ \mathrm {b} \ \)接点を直列に接続すれば,同時に信号が入ったときに回路が導通することはなく,リレーが同時に働かないようになります。

(エ)
シーケンス制御の動作内容の確認や,制御回路設計の手助けのために,横軸に時間を表し,縦軸にコイルや接点の動作状態を表したものをタイムチャートといいます。平成26年問18にタイムチャートの例,同じく平成26年問14にフローチャートの例があるので確認してみて下さい。