《理論》〈電気及び電子計測〉[R3:問5]熱電対の原理に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,熱電対に関する記述である。

熱電対の二つの接合点に温度差を与えると,起電力が発生する。この現象を\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)効果といい,このとき発生する起電力を\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)起電力という。熱電対の接合点の温度の高いほうを\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)接点,低いほうを\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)接点という。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{ccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) \\
\hline
(1) &  ゼーベック  &  熱  &  温  &  冷  \\
\hline
(2) &  ゼーベック  &  熱  &  高  &  低  \\
\hline
(3) &  ペルチェ  &  誘導  &  高  &  低  \\
\hline
(4) &  ペルチェ  &  熱  &  温  &  冷  \\
\hline
(5) &  ペルチェ  &  誘導  &  温  &  冷  \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

熱電対の原理に関する問題です。
高温の媒体の温度を図るためには,通常の温度計は使用できないので,熱電対の原理を利用した方法がとられます。
現場で熱電対を扱う方は知識として必須なので,確実に理解しておくようにしましょう。

1.ペルチェ効果
異なる金属や半導体を接合して,電圧をかけると,吸熱もしくは発熱を発生する現象です。図1が代表的な半導体を使用したペルチェ素子で,電流の向きを逆にすると,発熱と吸熱も入れ替わります。

2.ゼーベック効果
異なる金属や半導体を図2のように接合して閉回路を作り,一端を高温(温接点),もう一端を低温(冷接点)とすると,熱起電力が発生し電流が流れる現象を言います。

【解答】

解答:(1)
(ア)
ワンポイント解説「2.ゼーベック効果」の通り,熱電対の二つの接合点に温度差を与えると起電力が発生する現象はゼーベック効果といいます。

(イ)
ワンポイント解説「2.ゼーベック効果」の通り,発生する起電力を起電力といいます。

(ウ)
ワンポイント解説「2.ゼーベック効果」の通り,温度が高いほうの接合点を接点といいます。

(エ)
ワンポイント解説「2.ゼーベック効果」の通り,温度が低いほうの接合点を接点といいます。