《電力》〈送電〉[H30:問9]架空送電線の多導体方式に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,架空送電線の多導体方式に関する記述である。

送電線において,\(1\)相に複数の電線を\(\fbox {  (ア)  }\)を用いて適度な間隔に配置したものを多導体と呼び,主に超高圧以上の送電線に用いられる。多導体を用いることで,電線表面の電位の傾きが\(\fbox {  (イ)  }\)なるので,コロナ開始電圧が\(\fbox {  (ウ)  }\)なり,送電線のコロナ損失,雑音障害を抑制することができる。

多導体は合計断面積が等しい単導体と比較すると,表皮効果が\(\fbox {  (エ)  }\)。また,送電線の\(\fbox {  (オ)  }\)が減少するため,送電容量が増加し系統安定度の向上につながる。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{cccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) & (オ) \\
\hline
(1) & スペーサ & 大きく & 低く & 大きい & インダクタンス \\
\hline
(2) & スペーサ & 小さく & 高く & 小さい & 静電容量 \\
\hline
(3) & シールドリング & 大きく & 高く & 大きい & インダクタンス \\
\hline
(4) & スペーサ & 小さく & 高く & 小さい & インダクタンス \\
\hline
(5) & シールドリング & 小さく & 低く & 大きい & 静電容量 \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

多導体方式は\( \ 187 \ \mathrm {kV} \ \)以上の超高圧電線で見られる方式で,\(1\)相あたり\(2\)条以上の電線を用い,その間を相関スペーサを用いて一定以上の距離を保つようにしている電線です。

1.多導体方式の特徴
送電線の\(1\)相あたり\(2\)条以上の電線を用いる方法で,以下の特徴があります。
①コロナ臨界電圧が高くなる。 \(≒\) コロナ(電線表面での放電現象)が発生しにくくなる。
②インダクタンスが減少し,静電容量が増大する。
③同一断面積の単導体と比較すると表皮効果(導体内の電流分布が外側に集中する現象)が小さくなる。


出典:架空送電線の調査・設計HP

【解答】

解答:(4)
(ア)
多導体方式は複数の電線をスペーサを用いて適度な間隔に配置したものです。シールドリングはコロナ放電の防止のため送電線に設置されるものです。

(イ)
多導体を用いると,太線化する効果と同様に電線表面の電位の傾きが小さくなるという特徴があります。

(ウ)
電線表面の電位の傾きが小さくなると,コロナ開始電圧が高くなり,コロナが発生しにくくなります。

(エ)
単導体と比較すると\(1\)条あたりの電線が細くなるので表皮効果は小さくなります。

(オ)
送電線のインダクタンスは多導体方式を用いることで減少します。