《理論》〈電子理論〉[R2:問11]可変容量ダイオード(バリキャップやバラクタダイオード)に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,可変容量ダイオード(バリキャップやバラクタダイオードともいう)に関する記述である。

可変容量ダイオードとは,図に示す原理図のように\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)電圧\( \ V \ \mathrm {[V]} \ \)を加えると静電容量が変化するダイオードである。\( \ \mathrm {p} \ \)形半導体と\( \ \mathrm {n} \ \)形半導体を接合すると,\( \ \mathrm {p} \ \)形半導体のキャリヤ(図中の印)と\( \ \mathrm {n} \ \)形半導体のキャリヤ(図中の〇印)が\( \ \mathrm {pn} \ \)接合面付近で拡散し,互いに結合すると消滅して\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)と呼ばれるキャリヤがほとんど存在しない領域が生じる。可変容量ダイオードに\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)電圧を印加し,その大きさを大きくすると,\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)の領域の幅\( \ d \ \)が\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)なり,静電容量の値は\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)なる。この特性を利用して可変容量ダイオードは\( \ \fbox {  (オ)  } \ \)などに用いられている。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

\[
\begin{array}{cccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) & (オ) \\
\hline
(1) &  逆方向  &  空乏層  &  広く  &  小さく  &  無線通信の同調回路  \\
\hline
(2) &  順方向  &  空乏層  &  狭く  &  小さく  &  光通信の受光回路  \\
\hline
(3) &  逆方向  &  空乏層  &  広く  &  大きく  &  光通信の受光回路  \\
\hline
(4) &  順方向  &  反転層  &  狭く  &  大きく  &  無線通信の同調回路  \\
\hline
(5) &  逆方向  &  反転層  &  広く  &  小さく  &  無線通信の同調回路  \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

理論科目として,本問で重要となるのは(ア)~(エ)のメカニズムに関する箇所となります。ダイオードには順電圧で使用する発光ダイオードやレイザーダイオード,逆電圧で使用する定電圧ダイオードや可変容量ダイオード等があります。それぞれメカニズムや特徴が重要となるので,分からない場合はテキストで復習するようにしましょう。

1.可変容量ダイオード
\( \ \mathrm {p} \ \)形半導体と\( \ \mathrm {n} \ \)形半導体を\( \ \mathrm {pn} \ \)接合し,逆電圧をかけることで空乏層が広がる現象を利用したダイオードです。
電圧を大きくすると空乏層が大きくなり,空乏層を誘電体としたコンデンサのようになります。
コンデンサの静電容量\( \ C \ \mathrm {[F]} \ \)が誘電率\( \ \varepsilon \ \mathrm {[F/m]} \ \),極板面積\( \ S \ \mathrm {[m^{2}]} \ \),極板間の距離\( \ d \ \mathrm {[m]} \ \)を用いて,
\[
\begin{eqnarray}
C&=&\frac {\varepsilon S}{d} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] 表されることから,電圧を大きくすると極板間の距離が大きくなり,静電容量が小さくなることがわかります。
ラジオ等で,特定の周波数と共振する回路(同調回路)に利用されます。

【解答】

解答:(1)
(ア)
ワンポイント解説「1.可変容量ダイオード」の通り,可変容量ダイオードは逆電圧をかけることで,空乏層が広がる原理を利用したダイオードです。

(イ)
ワンポイント解説「1.可変容量ダイオード」の通り,キャリヤがほとんど存在しない領域は空乏層です。

(ウ)
ワンポイント解説「1.可変容量ダイオード」の通り,電圧を大きくすると空乏層は広くなります。

(エ)
ワンポイント解説「1.可変容量ダイオード」の通り,空乏層が広がると静電容量は反比例して小さくなります。

(オ)
ワンポイント解説「1.可変容量ダイオード」の通り,可変容量ダイオードは無線通信の同調回路に利用されます。