《理論》〈電磁気〉[R06上:問2]空気中の導体球に帯電できる電荷量に関する計算問題

【問題】

【難易度】★☆☆☆☆(易しい)

空気中に孤立した半径\( \ a \ \mathrm {[m]} \ \)の導体球に帯電できる最大の電荷の値\( \ \mathrm {[C]} \ \)として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,空気の絶縁耐力及び誘電率はそれぞれ\( \ E_{\mathrm {m}} \ \mathrm {[V / m]} \ \)及び\( \ \varepsilon_{0} \ \mathrm {[F/m]} \ \)とする。

 (1) \( \ \displaystyle \frac {E_{\mathrm {m}}}{4\pi \varepsilon _{0}a^{2}} \ \)  (2) \( \ \displaystyle \frac {E_{\mathrm {m}}}{4\pi \varepsilon _{0}a} \ \)  (3) \( \ 4\pi \varepsilon _{0}aE_{\mathrm {m}} \ \) 
 (4) \( \ 4\pi \varepsilon _{0}a^{2}E_{\mathrm {m}} \ \)  (5) \( \ 4\pi \varepsilon _{0}a^{3}E_{\mathrm {m}} \ \)

【ワンポイント解説】

空気中においた導体球に帯電可能な電荷量を求める問題です。
まずは,最大の電荷を帯電したと仮定し解いていくことがコツとなります。合格のためにはぜひとも解いておきたい問題です。
本問は平成11年問5からの再出題となります。

1.真空中の電界の大きさ
真空中に電荷\( \ Q \ \mathrm {[C]} \ \)をおいた時,電荷から距離\( \ r \ \mathrm {[m]} \ \)離れた場所の電界の大きさ\( \ E \ \mathrm {[N / C]} \ \)は,真空の誘電率を\( \ \varepsilon _{0} \ \mathrm {[F / m]} \ \)とすると,
\[
\begin{eqnarray}
E &=&\frac {Q}{4\pi \varepsilon _{0}r^{2}} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となります。

【解答】

解答:(4)
図2に示すように,導体球に空気の絶縁耐力を超えない最大の電荷\( \ Q_{\mathrm {m}} \ \mathrm {[C]} \ \)を加えたとすると,このときの導体表面の電界は\( \ E_{\mathrm {m}} \ \mathrm {[V / m]} \ \)となるので,ワンポイント解説「1.真空中の電界の大きさ」の通り,
\[
\begin{eqnarray}
E_{\mathrm {m}} &=&\frac {Q_{\mathrm {m}}}{4\pi \varepsilon _{0}a^{2}} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となる。これを\( \ Q_{\mathrm {m}} \ \)について整理すれば,
\[
\begin{eqnarray}
Q_{\mathrm {m}} &=&4\pi \varepsilon _{0}a^{2}E_{\mathrm {m}} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。